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FIFAワールドカップに参加した審判員 FIFAビーチサッカーワールドカップロシア2021~審判の報告 vol.1 波多野祐一ビーチサッカー国際審判員インタビュー #jfa

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FIFAビーチサッカーワールドカップロシア2021(8月19日~29日)に波多野祐一ビーチサッカー国際審判員が、FIFAフットサルワールドカップリトアニア2021(9月12日~10月3日)には、小崎知広フットサル国際審判員と松崎康弘FIFAインストラクターが参加した。それぞれに各大会の振り返りや大会で得られた収穫や課題について聞いた。

※本記事はJFAnews2021年12月に掲載されたものです

念入りな事前準備でルール改正に対応

4月26日に世界各国から48人のワールドカップ審判員候補者が選ばれ、その中に入ったとJFAから連絡をいただきました。5月、6月にオンラインセミナーが4回行われ、7月17日に大会審判員24人の一人として正式に選ばれました。

競技規則が6年ぶりに大幅に改正されてから、初めての大きな大会ということで、7月後半から8月にかけて毎週オンラインセミナーが行われ、各国の審判員と一緒に改正内容などの理解を深めました。8月14日にモスクワに入った後も、15日から18日まで4日間の事前研修を受け、19日からの本番に臨みました。

大会では、グループステージで主審、第2審判、第3審判、タイムキーパー、リザーブ副審を1試合ずつ担当しました。その後、ノックアウトステージの準々決勝では、タイムキーパーとリザーブ副審を務め、3位決定戦ではリザーブ副審を担当しました。

その中で印象に残っているのは、主審を務めたグループステージのタヒチ対スペインの試合です。ビーチサッカーの強豪同士の対戦で、12-8でタヒチが勝利しましたが、ゲームのスピード感やプレーの強度なども含めて「これが世界のトップレベルの試合なんだ」と実感することができました。

波多野審判員(右奥)が主審を務めたグループステージのタヒチ対スペインより

今回の競技規則改正では、GKのインプレー中のボール保持に関するルール変更もあって、各チームの戦術が大きく変わり、今大会ではGKがペナルティーエリアを出て、攻撃に参加する機会が多くなりました。それによって、ピッチ内の主審、第2審判の動き方も変わり、外から監視する第3審判もサポートに当たるなど、審判チームとして補い合いながら対応しました。今までにない、新しい協力の形でのレフェリングでしたが、事前のセミナーで学んだことを実践できました。

コロナ禍での大会でしたので、FIFAからは宿舎、スタジアム、トレーニング会場以外での活動は控えるよう通達されていました。大会期間中は、マスクの着用や頻繁な手指の消毒など、自分自身で対応可能な感染対策を取って審判活動を行っていました。

収穫と課題を得て次の大会を目指す

今回はノックアウトステージを担当する審判員として最後まで残りたいと強く思いながら大会に臨みました。その目標を達成できたことについては、一定の信頼を得られたのではないかと思っています。前回参加したバハマ大会では、緊張のあまり、体が重く感じる場面もありましたが、今大会は、落ち着いて毎試合に臨むことができ、思い通りのポジションに動いて判定するなど、ピッチの上では審判員の役目を全うすることができました。

一方で、ノックアウトステージに残ることはできたものの、そこで笛を吹くことができず、課題も感じました。ある試合でGKの保持と相手のFPが足でボールを突いたのがほぼ同時に起こり、私は、一瞬の判断でノーファウルとしてFPの得点を認めたのですが、映像で見ると、実際はGKの保持が一瞬先で、得点に関わる判定の重要性について現場のインストラクターから指導を受けました。ほかにも、立ち居振る舞いの毅然さや英語でのコミュニケーションの積極性の面などで自分自身の課題を感じました。

JFAの審判委員会では、ビーチサッカー国際審判員の強化研修を年に数回開催していただき、国内でも審判活動を実践できる機会が増えているので、1試合1試合を大切にしながら技術レベルの向上と課題の克服を目指していきたいと思っています。ビーチサッカー日本代表チームが世界の舞台で活躍しているように、審判員も世界トップレベルの試合を担当できるよう、これからも努力を続けていきます。

vol.2は2/9掲載予定です。


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