9月のWEリーグ開幕に向けて、試合を担当する予定のサッカー女子1級審判員を対象に、4月10日(土)、11日(日)および17日(土)、18日(日)に、高円宮記念JFA夢フィールドにてプラクティカルトレーニングを実施しました。
コロナ禍の状況が続く中、約1年2か月ぶりの開催となったサッカー女子1級審判員を対象とした実地研修会は、コロナ感染対策を徹底しながら密を避けた屋外のみのトレーニングとなりました。
WEリーグでは、J1/J2リーグで導入しているコミュニケーションシステム(審判員間で会話のやりとりができる無線機)を使用する予定です。この研修会では、八千代松陰高校、柏南高校、八千代高校のサッカー部にご協力いただき、試合中に審判員間でどのようなコミュニケーション(無線機使用)を取るべきか、実践を通して学びながら経験を積み重ねていくことを目的としました。
今後もこのようなトレーニングを繰り返し行い、WEリーグ開幕に向けて審判員も準備を進めていきます。
コメント
深野悦子審判インストラクター
WEリーグ開幕に向けて定期的にオンライン研修会を行ってきましたが、約1年2か月ぶりに集合して研修を行いました。JFA夢フィールドという素晴らしい施設で、千葉県の3つの高校生の力をお借りしての実践研修は、感慨深いものがありました。しかしながら、この状況下により、しっかりとしたコロナ対策を行いました。室内での座学研修はなし、更衣室の使用人数も制限しました。それでも、緑の芝生の上で、皆で共に活動できる喜びに溢れていました。
WEリーグで女子1級審判員は初めてレギュラーにコミュニケーションシステム(以下CCS)とシグナルビープを使用することができます。この素晴らしい道具は審判員の助けになるものですが、トレーニングが必要です。座学だけでは臨場感に欠けていましたが、ようやく実地で行うことができました。
知識はあっても、いざ使うとなるとうまくいかないことや、学びが沢山ありました。例えば、CCSでの会話に気を取られ、大事なフラッグアップやシグナルビープを押し忘れるような初歩的なものから、込み入った判定の正誤の話までです。しかしながら、女子1級審判員はこの4日間であっという間に多くのことを習得していきました。
開幕まで、学びを止めず、審判員、インストラクター一丸となって準備していきたいと思います。女子プロリーグで堂々とフィールドに立つ審判員を想像すると、今からわくわくしています。
桐原純子女子1級審判員
千葉県の男子高校生の協力を得て行われたWEリーグに向けたコミュニケーションシステムの研修に参加しました。初日は事前のオンライン研修の内容を行いつつ、声を発しながら審判することに慣れることに重点を置きました。仲間の助言、インストラクターの指導を受けると、伝えるタイミングや必要な情報が整理され、次の段階の課題が見えてきました。実践を通してこのシステムのメリットばかりでないこともわかり、判定を支えるツールであることを忘れてはいけないと感じました。
トレーニングマッチを担当したチームスタッフから「いよいよ、リーグが始まることを実感しました。スタッフ、選手から『審判がいるのといないのでは全然違うのですね』との声がありました」と、メッセージをいただきました。このように感じている方々の期待に応えられるように、サッカーの面白さやWEリーグの魅力を引き出せるよう、サッカーの理解を深め、審判の技術を磨かなければ、と気持ちの引き締まる研修でした。
井脇真理子女子1級審判員
コロナ禍により様々な活動の制限が続く中、これまでのオンライン研修会に加えて、この度実地研修会をしていただけたことに感謝を申し上げます。インストラクター及びJFA審判部の皆様を始め、千葉県男子高校生チームの指導者や選手の皆様、JFA夢フィールド関係者の皆様、本当にありがとうございました。
今秋開幕のWEリーグに向けて、コミュニケーションシステムの有効活用を目指してプラクティカルトレーニングを行い、インストラクターから指導を頂き、仲間どうしで試合状況を共有しながらディスカッションすることで、日を追うごとに仲間とともに学びを吸収できたことを実感しています。また、どのようなツールを使用してもやはり、基礎基本の技術とメンバーシップが重要であることを改めて感じました。魅力的なプロリーグを目指して、私たち審判員の担う役割をしっかり果たせるよう、今後も努力していきたいと思います。