10月10日(土)、11日(日)に神奈川県横浜市にて、J1・J2担当審判員研修会を実施しました。
今回の研修会は「審判チームの説得力ある協力関係」をテーマに、実際に起こったシーンを確認しながら、協力関係がうまくいった点、改善が必要な点などを共有しながら進められました。
リーグ戦が終盤に差し掛かり、優勝、チャンピオンシップや昇格プレーオフへの出場権、降格にかかわる試合が出てくるなど、今まで以上に注目が集まり、プレッシャーのかかる試合が続く中で、正しい判定に導くため、審判チームとして協力していくためのすり合わせをおこないました。
指導者コメント
岡田正義トップレフェリーインストラクター
今回はJ1・J2担当の主審と副審が2日間に分散して研修会を開催ました。テーマを『審判チームの説得力ある協力関係』とし、審判チームとして、よりよいゲームコントロールのための協力関係を築き周囲の信頼感を得るためには、どのようなことを考え、どのような行動をとらなければならないか、グループワークを主体とした研修を実施しました。
特に、昨年7月から導入されたコミュニケーションシステムがファウルサポートやオフサイドの判定において有効に使われていない事例を挙げ、主審、副審それぞれの立場から改善方法を出し合いながら積極的な意見交換を行いました。リーグ終盤に向けて難しい試合が多くなることが予想される中、審判チームの的確な協力関係により、素晴らしい試合が運営されることを期待しています。
参加者コメント
小屋幸栄 1級審判員(兵庫県)
Jリーグもシーズン終盤に入り、各チームの目標が明確になってきます。試合環境は今まで以上に難しくなると思います。そしてこれから最終節に近づくにつれて、1試合の重要性が更に高まります。我々審判員はどの試合も同様に、より良いゲームコントロールができるように努めています。
研修会では、ゲームコントロールにおいて重要である、「審判チームの説得力ある協力関係」を築く、というテーマでフィッシュボーンを用いグループワークを行い、信頼関係・役割分担など、協力関係を築くための因果関係を可視化し、課題や結果の要因を突き詰めるためのディスカッションを行いました。監督・選手・サポーターの方々が事象に対してどのように感じているのか(見えているのか)、事例を用いて検証し、審判チームとして競技規則に基づいた説得力あるレフェリングを行うためにはどうすれば良いのか、ということも併せてディスカッションしました。今回の研修会を活かし、Jリーグの終盤戦が更に魅力的で説得力あるゲームになるように審判チームとして尽力していきたいと思います。
田島宏則 1級審判員(福岡県)
今回は「審判チームの説得力ある協力関係」をテーマに研修を行いました。まず今回のテーマについてフィッシュボーンを活用し、グループワークにてアプローチしました。その後、グループで作成したフィッシュボーン・ダイヤグラムをもとに「ファウルサポート」、「オフサイド」、「コミュニケーションシステム」について今シーズンの実際に起きた事例を映像で確認し、どのように対応すればより良かったか等をディスカッションしました。「ファウルサポート」においては、副審や第4の審判員が持っている情報を主審にいつ、どのように伝えるか、審判チームとしてどのように対応すれば説得力を持たせることができるのか、様々な意見が出ました。「オフサイド」においては、主審と副審がそれぞれ確認できること、できないことを改めて整理しました。
「コミュニケーションシステム」は判定だけでなく審判チームの精神面を互いに支える大変便利なツールだと思います。しかし、あくまでも基本をベースに、フラッグテクニックやジェスチャー等では伝え切れない時に頼るべきツールだと認識しています。場合によっては審判チームが直接対話することで説得力が増すケースもあるということを忘れてはいけません。リーグ戦は終盤に差し掛かり、優勝争いやプレーオフ進出争い、残留争い等これまでにも増して厳しい試合が控えています。担当する試合に向けて一日一日しっかりと準備し、万全の状態で試合に臨み、今回研修した「審判チームの説得力ある協力関係」でゲームをコントロールしてその試合に関わる全ての方々に満足していただけるサッカーの実現を目指したいと思います。