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リスペクト新ロゴとグリーンカード~サッカーの活動における暴力根絶に向けてVol.93~ #jfa

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選手が負傷で転倒。なかなか立ち上がらないのを見た相手選手がボールをピッチの外にけり出す。レフェリーとドクターが対応後、負傷した選手のチームメイトがスローインでボールを相手に返す。そして、観客を含めたスタジアム全体が拍手でいっぱい。あるいは、負傷した選手に手を差し伸べ、差し伸べられた手に呼応して身体を起こす。サッカーでは「当たり前の光景」だ。リスペクト(大切に思うこと)やリスペクトあるフェアプレーは、日本サッカーのいたるところで見ることができる。

しかし、全てが全てとはいかない。心ない暴力、暴言、差別、いじめがまだまだ報告される。なぜなのかと頭を抱えてしまう。だからこそ、リスペクト(大切に思うこと)が今以上にサッカーやスポーツに溢れ、こぼれるほどになるように、もう一歩、二歩と進み出したい。

慣れ親しんでいたため、寂しくも感じるが、リスペクトのロゴを変更した。「RESPECT」という英文字の下に、われわれ日本のサッカーが訳した「大切に思うこと」を付け、リスペクトの考え方が誰にでも分かるようにした。リスペクト(大切に思うこと)には境界がない。サッカーという出発点からさまざまなフィールドでこの考えが広まる。「大切に思うこと」が地平線の先のどこまでも広がっていく想い、またその様相のデザインである。

新しいロゴは試合会場などのサッカー現場のみならず、順次日本のサッカーに広く拡散していく。新しいロゴは、広く使用可能である。例えば、各都道府県サッカー協会(FA)がFAのロゴとリスペクトのロゴを一緒にした(コンポジットした)独自のロゴを使用することもできる。各FAのみならず、各連盟やリーグ、またチームであってもコンポジットロゴの下、リスペクトある行動やプレーを行う。引き続き、審判員も審判服にロゴを付ける。また、選手もだ。サッカー競技規則が改正され、「サッカーの試合やリスペクト、高潔性の促進を主唱するスローガンやエンブレム」の着用が認められたのだ。選手のユニフォーム上に付けることも可能になった。選手としての気持ちがピッチ上でも表現できてうれしいとの声が聞こえる。すでにヨーロッパサッカー連盟(UEFA)では、選手がリスペクトを着用している。多くの皆さんに着用していただけることを熱望する。

このロゴの下、サッカーに関わる誰もがリスペクト・フェアプレーへの行動を誓ってくれる。リスペクト(大切に思うこと)、そしてリスペクトある真のフェアプレーがオン・ザ・ピッチ、オフ・ザ・ピッチで溢れこぼれている。リスペクトある美しく楽しいサッカーが、私たちの日常を豊かにしてくれる。

そして、グリーンカード。リスペクトある真のフェアプレーのために必要なもう一つのすてきな考え方である。リスペクトのロゴと共に楽しく美しいサッカーを推進してくれる。グリーンカードは、フィンランドで行われていた事例を参考にし、2004年に導入した。

「チームとして共に努力する」「フィールド上で互いに助け合う」「常にフェアプレーを示す」「良いスポーツマンシップを示す」「怪我をした者を助け、共感を示す」「敗者も勝者もたたえる」「対戦相手、チームオフィシャル、レフェリーを大切に思う」など、さまざまなリスペクトあるプレーや行動にグリーンカードが示される。アジアサッカー連盟(AFC)でも、12歳以下の試合を用いたグリーンカード推進のビデオが流されていた。

日本人は良い点を見つけるのが得意ではないと言われる。どうしても、ミスばかりに目がいってしまい、それをどのように矯正するかに頭がいっぱいになる。良い行為に気付かなかったり、お仕着せのようにグリーンカードを乱発したりする。どうしてここでカードを出さないのか。あるいは、誰かに言われたがのごとく、試合後、形だけでチームにグリーンカードを示している。そんなふうに感じられることも少なくない。

グリーンカードで子どもたちを褒めてあげようということではない。そのプレーが、その行動が称賛に値する、感謝したいと感じたならば、グリーンカードを示せば良い。

U-12の試合は、ユースレフェリーが審判を務めることが多い。恥ずかしいのか、あるいは先輩に言われた通りといった出し方もあり、ぎこちなさが残る(初々しくてすばらしく、微笑んでしまうこともあるが)。試合には、経験ある年長の審判アセッサーや審判インストラクターが派遣される。お子さんのいらっしゃる方も多いだろう。子どもたちが今どのように感じ、どのように行動するのか、機微をも含めて察することができるだろう。小学校の低学年の子どもたちならば、コーチに言われた通りのフェアプレーをするのかもしれない。それも良い。高学年であれば、大切に思う気持ちのない、形だけのフェアプレーには感謝しずらい。そんなことも含め、若いレフェリーに一つ一つアドバイスしたらどうだろう。

同じく、マッチ・ウェルフェアオフィサー。決して、指導者だけに気付きを伝えるオフィサーではない。試合が安全に快適に行われ、楽しくサッカーがプレーできること。その推進役である。若いレフェリーは、気付きをもらって大きく成長する。そして、正しくフェアなプレーや行動を評価し、感謝の気持ちを持ってグリーンカードを示す。

                               報告者:松崎康弘(JFAリスペクト・フェアプレー前委員長)

※このコラムは、公益財団法人日本サッカー協会『テクニカルニュース』2019年9月号より転載しています。


期間限定無料公開コンテンツ、公開期間延長のお知らせ|Sports assist you~いま、スポーツにできること~ #jfa #SportsAssistYou

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公益財団法人日本サッカー協会は、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため自宅で待機されている皆さま向けに、健康の維持、促進につながるコンテンツや休校期間中の自宅学習にご活用いただけるコンテンツ、サッカー観戦コンテンツの一部を5月10日(日)まで無料公開としておりましたが、現在の状況を考慮し、5月31日(日)まで延長することにしました。

対象コンテンツ

JFAチャレンジゲーム めざせクラッキ!めざせファンタジスタ

育成年代向けコンディショニングプログラム

日本サッカーミュージアムおうちで出来る!自宅学習素材

JFATV Classics

ルールを知ろう!

JFA審判委員会 黛俊行委員長からのメッセージ #jfa #nadeshiko

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日本サッカー協会には各事業を支える20の委員会があります。3月29日に田嶋幸三会長が再任されて新体制になり、新たに各委員会の委員長が任命されました。
5月11日から各委員会の役割と委員長からのメッセージを紹介しています。
本日は審判委員会です。

JFA審判委員会は審判員・審判指導者の強化、育成だけでなく、選手や指導者はもちろん、メディア関係者に対しても競技規則の理解を促すなど、より良いサッカー環境の創出を目指しています。VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)などの新しいテクノロジーの本格的な導入にも取り組み、日本サッカー発展のため、グラスルーツからトップレベルまでの審判組織体制をより強固なものにしていきます。

黛俊行委員長(新任)からのメッセージ

この度、審判委員長に選任されました黛と申します。日本サッカー審判界を牽引していくという重責に身の引き締まる思いです。2019年度の審判員、審判指導者の登録者数は308,598人に達しました。各地域や都道府県のすべての関係者に感謝します。
サッカーはプロからグラスルーツ、老若男女、障がい者の方を含め、見る人、する人、支える人、他にも多くの方が関わっています。こうした中、審判員の果たす役割は、それぞれの環境下で安全に留意し、競技規則の精神(公平・公正)に基づいて判定を下し、関わる全ての人にとってサッカーが魅力的で楽しくなるようにしなくてはなりません。与えられた役割は非常に難しいものですが、難しいからこそ、やり甲斐や達成感が得られると思います。
日本サッカーのさらなる発展には、審判員の資質の向上と審判員への理解がさらに進むことが重要だと考えます。明確なビジョンを持ち、全身全霊で審判組織の運営に取り組みます。

1級審判インストラクター開幕前研修会をオンラインにて開催 #jfa

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3月に予定されていた本研修会を、オンラインでの開催に変更して5月2日(土)‐3日(日)に開催しました。
約50名の審判インストラクターがオンライン上に集まり、JFAの方針、情報共有をしました。
活動自粛の中、オンライン上ではありますが久々に顔を合わせて、和やかな雰囲気のなか研修会はスタートし、あっという間に2日間が終了しました。

インストラクターコメント

伊藤力喜雄インストラクター
5月2日(土)・3日(日)の2日間、1級審判インストラクター研修会を実施しました。現在新型コロナウイルス感染拡大防止のため、全国で不要不急の移動の制限されていることを受けて、今回、初めてオンラインでの研修会という形を取りました。例年と異なるゴールディンウィーク期間中、44名の方々に参加していただきました。
このような状況下、オンラインでの研修会は手探りの中行ったというのが正直なところでしたが、石山指導者部会長のリードのもと内容の濃いものにすることができたと思います。
今回の研修会のテーマは、「JFA1級審判インストラクターとしての役割とその活動のために必要なこと」でした。このテーマについて、オンライン上で、参加者にグループディスカッションをしていただき、今後の1級審判インストラクターの果たすべき役割、また期待されることを発表し、そのために何が必要で何を学ばなければならないかを共有しました。
石山指導者部会長からは、コーチングの手法や指導者の変革、Game Empathyなど色々な切り口、新しい考え方などが示され参加者にとって、とても参考になるものでした。
これからこのようなオンラインでの研修が多くなると思いますが、今回の経験を生かして更に課題や修正点を振り返り、より良い研修ができるようにしていきたいと思います。

参加者コメント

酒井昭宏 1級審判インストラクター(佐賀県)
初めてのオンライン形式の研修会でしたが、全体として講義の内容は理解できましたし、良かったと思います。オンライン形式に至るまでの準備や、伝えたいことを1コマ1時間にまとめたり、大変だったと思います。内容的にも、将来を見据えたプランに対し、私たちがどのように取り組まなければならないか、取り組むべきか、改めて目標を再認識することができましたし、今以上にモチベーションを上げることができました。これからが楽しみです。ありがとうございました。

村山尚哉 1級審判インストラクター(北海道)
新型コロナウィルス感染拡大の影響でオンラインでの開催となりました。どのような研修会になるのか、期待と不安の中での参加でしたが、思った以上に充実した研修会となりました。何よりインストラクター仲間の元気な姿を見ることができて安心しました。オンラインという環境下、行う事には限りがありますが、講義内容も含め申し分ない内容だったと思います。お互い同じ空間にいないので空気感は共有出来ませんが、シーズン再開に向けて今やるべきこと、再開した時に十分な指導体制を整えておくことについては共有できたと確信しています。研修会の準備等、黛審判委員長はじめ指導者部会の方々、JFA審判委員会の方々には大変お世話になりました。ありがとうございました。このようにオンラインでの研修等は今後も続く可能性が高いですが、この辛い状況をサッカー仲間全員で乗り超えて行きたいと思います。

2020/21年サッカー競技規則の改正および「2019/20および2020/21 競技規則-第3条への暫定的改正」について #jfa

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国際サッカー評議会(以下、IFAB)から2020年4月7日付回状第18号をもって2020/21年のサッカー競技規則改正を含む、IFAB第134回年次総会における決定について通達がありました。
また、2020年5月8日付回状第19号をもって「2019/20および2020/21 競技規則-第3条へ䛾暫定的改正」について通達がありました。
サッカー競技規則の全文和訳、解説映像等は作成が完了次第、JFA.jp競技規則ページでの掲載を予定しております。

2020/21年の競技規則改正について[20.05.14]
2020/21競技規則変更と明確化[20.05.14]
第3条への暫定的改正[20.05.14]

競技規則に関する詳細はこちら

2020年度地域審判指導者部長・イントレマネジャー合同会議をオンラインにて開催 #jfa

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こどもの日の5月5日(火・祝)に、地域審判指導者部長・イントレマネージャー合同会議をオンライン形式にて行いました。9地域の代表者がそれぞれ参加し、1時間のセッションを3回、合計3時間実施しました。ブレイクアウトセッションを採用して、オンライン上でグループディスカッションも実施し、時間が足りないと感じるほど活発に意見交換がなされました。

インストラクターコメント

佐幸欣治インストラクター
地域指導者部会とイントレの協働について検討することを目的として、セッション①では、黛審判委員長の挨拶・自己紹介・イントレ事業の振り返り・指導者部会事業とイントレ活動の協働について、セッション②では、地域ごとに分かれてRDOがファシリテーターとなり指導者部長、イントレマネージャーとが協働についてKPT法を用いて討議し、セッション③では各地域からの報告により協働について深めることが出来ました。さらに、石山指導者部長からは、必要に応じてアドバイスや質問が投げかけられ、各地域が同じ方向に向かって取り組むことが出来ました。初めての取り組みでしたが、これからも継続して取り組んでいくことが確認でき有意義な合同会議でした。

参加者コメント

斉藤仁 1級審判インストラクター(東京都)
指導者部会を主導する全国の仲間が一堂に会したことは、多くまた深いやり取りがあったというところまではいかなくても、共有するという観点ではとても有用だと感じました。イントレ活動を指導者部会の活動との連携や相関性を強固にするという観点からは、申し訳ありませんが物足りませんでした。やはり時間的な制約、オンライン会議という枠組みの中では致し方ないとも思います。

脇山哲郎 1級審判インストラクター(佐賀県)
COVID-19の影響で3月から延期になっていた会議であり、今の環境の中、今年のイントレを円滑に進める上では、重要な位置づけと認識しました。この会議を受けて、実施計画を見直し、遅滞なくイントレを進めていきたいと思います。

2020年度 フットサル1級審判インストラクター研修会をWEBで実施 #jfa #JYD

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今回の研修会は、政府が新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく「緊急事態宣言」の全国拡大決定にともない、フットサル1級審判インストラクター研修会としては今までの集合型研修会とは違い、初の試みとしてWEB研修会を5月2日、3日で行いました。2020シーズンもまだ開催されていない状況ですが、今シーズンのスタートに向けた準備としてF1級登録インストラクター全員参加による研修会です。

研修会の冒頭に黛委員長からの挨拶ならびに審判委員会新組織体制の説明がなされ、昨シーズン(2019)の審判アセスメント評価分析結果/ふり返りにおいて松崎インストラクター、延本部会長による2020シーズンに向けた対応について評価基準統一が確認できました。また、公財)日本バスケットボール協会(JBA)から審判委員長/インテグリティ委員長/審判担当ダイレクターである宇田川貴生さんに参加いただき、「ブロッキングと監視」をテーマにバスケットボールで判断するポイントの講義を受けました。フットサルとバスケットボールは、共有できることが多々あり、今後も競技の枠を超えて一緒に情報交換等を継続していくことを計画しています。

2日目は、2020シーズンに向けたフットサルスタンダードの解説を櫻田部会員より説明し、参加インストラクターによる積極的な意見交換を行いながら、理解を深めていきました。Ray Oliver副委員長の映像研修「ノーマル・フットサル・コンタクト(フットサルにおいて通常認められる身体的接触)」を松崎インストラクターが解説しました。フットサルの競技特性とゲームズマンシップを認識して競技者がボールを競い合うときに起こるノーマル・フットサル・コンタクトと容認されるべき身体的接触について正しい理解を得るため、映像を用いながら進めていきました。この2日間のweb研修に向けて一ヶ月前から準備に取りかかり、資料作成ほか進行方法など綿密な打ち合せによって研修会を開催できたこと、松崎インストラクターはじめフットサル部会メンバーによる素晴らしいサポートによって終えられたことに感謝し、課題や修正点をふり返り、今後の新しい研修スタイルとしてweb研修が定着されるために改善を図ります。そして今シーズンがスタートされたときには、レフェリー達が自信を持ってゲームの臨むことができるために私達インストラクター全員でサポートしていきます。

参加者コメント

新谷勝士 フットサル1級審判インストラクター
例年この時期に2泊で行われる本研修会は半日ずつ2日間という幾分コンパクトな形での研修となりましたが、シーズンを迎えるにあたり、昨シーズンのFリーグのアセスメントの振り返りを行い、今シーズンのスタンダードを見るなかで、我々指導者の評価基準の統一を行いました。
今回はJBA審判委員長の宇田川さんより「ブロッキングと監視」というテーマでお話がありました。フットサルと判定基準の観点は違うものの、プレーを保障する、プレーに影響のあるものを罰するという意味では相違なく、基準の4観点「リズム」「スピード」「バランス」「クイックネス」についても、フットサルと通じるものを感じました。
映像研修は映像がスムーズに流れないことがありましたが、もう1台PC・スマホを用意することで思った以上にスムーズに受講することができました。できれば皆さんの顔を見てシーズンをスタートしたかったのですが、こうした研修の方法はシーズン途中の定期研修や、地域などでも応用できそうで、今後の指導に生かしていきたいと思いました。

池田浩之 フットサル1級審判インストラクター
今回、フットサル1級審判インストラクター研修会に初めて参加しました。
今年度からフットサル1級審判インストラクターになった私にとっては、先輩インストラクターの方々の審判指導に対する情熱に影響を受けて、自身もこれから精進し学び続けていかなければいけないと決意を新たにしました。
1日目の講義では、日本バスケットボール協会審判委員長 宇田川氏を招いて、「ブロッキングと監視」について学びました。競技は違うものの、同じ室内競技で狭いコートの中で攻撃と守備がポジションを奪い合うという点は、フットサルと共通点があり、その中での監視分担やファウルの基準、アングルによる見え方の違いなど非常に参考になりました。
2日目の講義では、「2020フットサルレフェリングスタンダード」と「フットサルで受入れられる身体的接触」について学びました。
スタンダードでは映像を見ながら判定・懲戒罰の有無等の基準を持つことが出来ました。また、フットサルで受入れられる身体的接触においては、ボールを奪い合う際に認められる身体的接触について学びました。両講義を通じて、ゲームコントロールにポジティブな影響を与えることが出来るレフェリーの判定を理解し、フットサルの魅力を最大限発揮できるような指導を実施したいと感じました。
今回は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、初めてのWEBによる研修会となり、当初予定されていた研修期間より短い中での研修でありましたが、非常に内容の濃い、私にとって有意義な時間となりました。各種全国大会やリーグ戦が中止や延期になっている中、早く安心してフットサルを楽しめるように事態が終息することを願うとともに、審判員へ良きアドバイスが出来るように心がけていきたいです。

町田正子 フットサル1級審判インストラクター
今回フットサル1級審判インストラクター研修会に初めて参加させていただきましてありがとうございました。ZOOM使用によるweb研修会となり、初参加であることと、自宅から一人で参加することに多少の不安を覚えての参加でした。1日目の延本氏による審判アセスメントに関しては、今後審判員を指導していくにあたり、留意すべきポイントを再確認することができました。JBA審判委員長の宇田川氏によるブロッキングと監視に関しては、以前より一度バスケットの審判方法についてお話を聞いてみたいと思っていたので、大変興味深く聴講でき、自分の中でもブロックプレーに関して整理することができました。2日目の櫻田氏によるFリーグスタンダードの講義及び、松崎氏によるNormal Futsal Contactの講義では、ファウルの見極め方、どこにポイントを置くべきなのかを学習することができました。受講中は講師より指名され意見を求められることもありましたし、受講者も発言をしたい場合にはできる環境にありました。他の受講者の方と同じ空間でその場の雰囲気を共有することはできませんでしたが、事前に配布された映像を学習して講義に臨むこと、講義中にも映像を確認できるPC環境を整えておくことなど、web研修を受講する上での準備をしておけば、十分に学習効果のある研修会であったと感じています。これも、事務局や講師の皆様の事前準備や、ZOOMを利用しての進め方によるものと思います。COVID-19の影響で集合研修や大会開催も困難である中、このような形で研修会を開催いただいたことに心から感謝申し上げます。フットサル1級審判インストラクターとしての船出は困難な状況下にありますが、今後も自己研鑽を積み、諸先輩方に1日も早く追いつけるよう努力していきたいと思います。

2020/2021シーズン Fリーグ担当審判員開幕前研修会を実施 #jfa

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Fリーグ担当審判員(ディビジョン1、ディビジョン2)対象の研修会が、5月4日(月)と5日(火)に実施されました。例年は会議室、アリーナ等で実施している研修会ですが、新型コロナウィルス感染防止のため、今年は自宅から参加できるウェブ形式の研修会となりました。

黛審判委員長、渡邊日本フットサル連盟専務理事の挨拶の後、より魅力あるフットサルの審判をしていくため、2020/2021シーズンのスタンダード、日本バスケットボール協会宇田川貴生審判委員長によるバスケットボールにおける「ブロッキングと監視」についての講演、フットサルで受け入れられる身体的接触についての考え方の整理などの研修が行われました。また、昨シーズンの試合におけるいくつかの事象に対して、試合映像による振り返りで、判定に対するロジカルな考え方、指導者の立場から見たポイントの整理やグループに分かれてのディスカッションにより担当審判員の意識統一を進めました。各日3時間、ウェブ画面を通じての研修会になりましたが、集中した環境で実施することができました。

参加者コメント

藤田武志フットサル1級審判員
いつもとは違う形の研修会方式で、不安な部分はありましたが、仲間の元気な姿を見ることができ、大変うれしく思いました。今年もディスカッションやスタンダードの確認もありましたが、今年はそれに加えJBA審判委員長宇田川氏よりバスケットボールのブロッキングとチャージング、審判員の監視についての講義がありました。バスケットボールではブロッキングとチャージングを判断する場合、DFが止まっていて、両足が床についた状態で、上体が動いていなければオフェンスのファウルになり、それ以外の場合はDFのファウルになど明確な責任の基準がありました。また、審判員の監視については近い審判員が判定を優先するのではなく、距離が遠くても角度の良い審判員優先的に判定する場合もあり、誰が判定したのかが重要で評価の大きな部分を占めることも教えてもらいました。バスケットボールは室内で複数の審判員が笛を持ち判定できるというフットサルと似た部分も多く、フットサル審判員に参考になる部分が非常に多くありました。
Fリーグの開幕も決まっていない中、トレーニングも十分にできない状況ではありましたが、本研修会を受講できたこと、久しぶりに仲間と話ができたことで、モチベーションを上げることができました。この新型コロナウイルスの問題が一日でも早く解決し、安全で安心な状況でフットサル審判が楽しめることを願っています。

櫻井伸也フットサル1級審判員
日本バスケットボール協会審判委員長の宇田川氏による“ブロッキングと監視”の講義でコンタクトの事実・責任・影響の判断基準や考え方、アングルによる見え方の違いはフットサルレフェリングにおいて共通する部分が多々あり近年のフットサルトレンド傾向にある事象でもある為非常に参考になりました。また、事前配信されたノーマル・フットサル・コンタクトvideo quizの解説・アドバイスを松崎康弘インストラクターからして頂き、2020年フットサルレフェリングスタンダードをより深く理解することができました。2日目のグループディスカッションでは私のグループは“チームワーク”をテーマに話し合い、より良い判定をするためにアングル(見える角度)の大切さやリーダーシップについて学びました。今シーズンは全国大会・カップ戦開催中止などあった中での慣れないウェブ研修会でしたが、来たるシーズン開幕に向けて有意義で充実した研修会でした。


JFA サッカー活動の再開に向けたガイドライン #jfa #SportsAssistYou

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新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、サッカー活動も自粛が続いていましたが、全国で緊急事態宣言が解除されるなど、活動再開の目処が見え始めてきました。
この度、サッカー活動の再開における各種の留意点を「JFA サッカー活動の再開に向けたガイドライン」としてまとめました。タイトルは都道府県サッカー協会・地域サッカー協会向けとしていますが、内容は事業の実施・運営だけでなく、チームの活動に関するものも含まれていますので、ぜひご活用ください。
サッカーファミリーの皆さんが安全に、安心してプレーできる環境を共に創り上げていきましょう。

詳細はこちら

2020/2021シーズン日本女子フットサルリーグ開幕前研修会 #jfa

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5月9日(土)と10日(日)の2日間、女子フットサルリーグ担当審判員(14人)の開幕前研修会を開催しました。今年はウェブ研修会ということもあり、審判員には事前に映像と資料の確認をして頂きました。初日は黛審判委員長の挨拶があり、続く最初のセッション『スタンダード』ではインストラクターと審判員との間で意見が交わされ、1.5時間という時間では足りないくらいの活発な意見交換がありました。次のセッションでは『ノーマルフットサルコンタクト』について話されました。2日目は最初にFリーグ総務主事渡邊様より、今シーズンの見えない先行きにおいて審判員に対しねぎらいの言葉を頂きました。この日は『ブロッキング』と『ポジショニング』について話され、特にブロッキングについては今シーズンも引き続きターゲットの一つであるという意識を共有し、正しく見極められるように指導が行われました。そして、『ポジショニング』については、ラストセカンドディフェンダーを強く意識することと、主審、第二審判の2人の審判員がプレーを挟みお互いに何を監視すべきかが伝えられました。2日間を通して、伝える側、伝えられる側双方にとって有意義な研修会となりました。

参加者コメント

梶山芙紗子 フットサル1級審判員(京都府)
自粛生活が続く中、仲間と共に前へ進むべくウェブ研修会が行われました。
フットサルとしては初めてのモニター越しでの研修に、少し照れもありましたが、みんなの元気な顔や声に喜びを感じられた貴重な時間でもありました。
研修1日目は、ノーマルフットサルコンタクト、バックパスやブロッキングなどについて自分たちの判定基準を明確にし、2日目は、より良い判定ができるよう、DOGSOやチームワーク、ポジショニングなどについてグループディスカッションを行いました。
その中でも、フットサル特有のファウル(ブロッキング)の判定は全体の課題でもあり、ファウルとなるブロッキングと、プレーとして認められるスクリーンの違いについて、多くの意見交換がされました。
今までの理解が間違っていた部分もあり、より選手の意図を見て判断することが大切だということも理解することができました。
主審、第二審判が共に笛を持ち、一つの試合をコントロールするフットサル。審判員として、その面白味も感じつつ、同じ基準を持ち、瞬時に判断しなければならない難しさも感じています。
副審と共に、互いに協力し合いながら、そのゲームをより魅力あるものにできるよう、リーグ開幕に向け、今できることを!この与えられた時間を意義あるものにしていきたいと思います。

松尾久美子 フットサル1級審判員(徳島県)
5月9日、10日の2日間、日本女子フットサルリーグシーズン開幕前研修がウェブ形式で実施され、担当する審判員全員が参加しました。
今シーズンのフットサルスタンダードとして「コンタクト&チャージ」「ブロック」「ハンドリング」「DOGSO」「GKへのパス」「アドバンテージ」に対する判定基準の同一理解を深めました。
より良い判定/事象対応をするために、特に「コンタクト&チャージ」では、ノーマルフットサルコンタクトと題し、映像を用い判定するための考慮点も踏まえ確認をしました。グループディスカッションでは2つのテーマ「DOGSO」と「審判チームの協力」について、映像を用いて改善・疑問点を解消する手段やアイディアを出し合いながら共有を図りました。
今シーズンの開幕が新型コロナウイルスの影響で延期となっておりますが、本研修会を通して日本最高峰リーグに携わる私たち審判員が担う責任の重さを感じ、審判員全員がどの試合でも最大限のパフォーマンスを発揮できるよう良い準備を継続します。

2020/21年サッカー競技規則改正 解説映像を公開 #jfa

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5月15日に2020/21年のサッカー競技機規則改正を含むIFAB第134回年次総会における決定について通達及び関連文書を公開しましたが、その内、2020/21年サッカー競技規則の改正内容をわかりやすくまとめた解説映像を公開します。
指導者、選手、審判員、ファン・サポーターの皆さんなど、サッカーファミリー全員が新たな競技規則を正しく理解し、より公平で楽しめるサッカーの実現に向けた一助となれば幸いです。

目次

0'32~ ハンドの反則について
2'37~ ペナルティーキック
4'09~ 大きなチャンスとなる攻撃を妨害、または阻止する反則
5'52~ プレーの再開後の、ゴールキーパーの「不正な」ボールの2度さわり
7'03~ オフサイド
8'10~ ペナルティーマークからのキック
8'43~ プレーを再開するときの競技者の位置

2020/21フットサル競技規則改正について #jfa

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国際サッカー連盟(FIFA)より、2020年5月29日付回付状第1719号をもって「2020/21フットサル競技規則の改正」について通達がありました。

フットサル競技規則の改正は2014年以来6年ぶりのことですが、今回の改正は、この期間に行われたサッカー競技規則の改正のうち、フットサルへの反映が好ましいと考えられるものを採り入れると共に、フットサルという競技の特性を確保し、また向上させるものとなっています。

これまでどおり、フットサルにかかわる関係者・競技者・監督/コーチ・審判員はこれらの改正を十分に理解し、プレー・指導・レフェリングに携わっていただけますようお願いします。
なお、2020/21フットサル競技規則全文はFIFAから届き次第、展開します。

2020/21 フットサル競技規則改正について[20.06.18]
2020/21 フットサル競技規則改正-主な改正について[20.06.18]

競技規則に関する詳細はこちら

2020年度 地域・都道府県審判フォーラム(全国審判委員長会議)をオンラインで開催 #jfa

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 JFA審判委員会は、5月24日(日)・30(土)・31(日)の3日間分散で、地域・都道府県審判フォーラム(全国審判委員長会議)を開催しました。
地域・都道府県の委員長の皆さんに加えて、幅広い方にご参加いただき「審判について議論・意見交換できる場」という意味を込めて、全国審判委員長会議という名称を「地域・都道府県審判フォーラム(全国審判委員長会議)」に変更しました。
本年度は、新型コロナウイルスの影響により開催方式をオンラインに変更したことで、移動・宿泊がなくなったため参加がしやすくなり、総参加者数は325名となりました。(昨年132名)
大規模でのweb会議はJFA審判委員会として初めての取り組みでしたが、参加者のご協力のもと、無事に終えることができました。

日程

5/24(土)関東FA・関西FA
5/30(土)北海道FA・東北FA・北信越FA・中国FA
5/31(日)東海FA・四国FA・九州FA

プログラム

・JFA審判委員長・部長挨拶、参加地域・都道府県審判委員長自己紹介
・2020-2021年 JFA審判委員会の組織体制
・各部会からの説明(2019年の振り返り、2020年の計画)
・地域別ディスカッション、意見交換

主催者コメント

山田修平レフェリーデベロプメント部会長(愛知)
全国審判委員長会議は、2017年まで47FA委員長がJFAハウスに集結し実施され、過去2年間は、地域ごとの分散開催により、地域や都道府県ごとの特性、事情に応じた議論を進めてきました。
今回はこれをさらに広く展開すべく、地域・都道府県審判フォーラムと銘打ち、各都道府県の審判委員会メンバーや各FAの方々にもご参加いただき実施しました。
本来は2日間にわたって実施し、より深い議論が行われる場にすることを目指していましたが、この環境下をふまえ1日のみの開催に変更し、現状と今後の方向性に関する共有が主な内容となりました。
オンライン会議の導入により、従来こうした場に参加することのなかった方々からは、開かれたフォーラムに対する歓迎の声を多くいただいています。他方、大きな目的のひとつであったFAごとの議論については、現状の環境課題が収束したのちに持ち越しとなっています。今後、地域・都道府県とJFAの協働をさらに前進させる中で、2021年からの新たな取り組みを軌道に乗せ、フットボールの発展に貢献できる事業体制づくりを進めてまいります。

参加者コメント

長田和久関東FA審判委員長(山梨)
2020年度地域・都道府県審判フォーラム(全国審判委員長会議)は、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、昨年度とは異なるオンライン形式で、5/24(日)関東、関西、5/30(土)北海道、東北、北信越、中国、5/31(日)東海、四国、九州の9地域が参加し、3日間で開催されました。内容は、JFAの方針・事業計画の伝達と理解促進、新たなJFA審判委員会組織、JFA審判委員会の各部会からの事業報告/計画の説明、新型コロナウイルスへの対応等でした。当日は各地域から都県委員長、各部長、専務理事、多くのオブザーバーの参加がありました。1日の開催で限られた時間でしたが、まずは各地域の審判委員会としての活動の実情を振り返り、JFA、各都県審判委員会、各連盟、各種別等と連携が必要ではないかと考えています。今後は、黛審判委員長のメッセージにもあった、審判員の資質の向上と審判員への理解がさらに進むことが重要だと考えます。「夢」に向かい、多くの人が審判活動をできる環境を作ることが必要だと改めて感じた審判フォーラムでした。

窪修一北信越FA審判委員長(長野)
2020年度の地域・都道府県審判フォーラム(全国審判委員長会議)がオンラインで開催されました。長野県審判委員長および北信越審判委員長として15回目の参加となり、かなりの古株となってしまいましたが毎年皆さんとお会いすることが楽しみになっています。残念ながら今年は新型コロナウイルスの影響でオンラインでの開催となってしまいましたが、各部会の方針や改革案の説明を受け、審判員および審判指導者の育成・強化を全国の審判に携わるすべての方々が一丸となって進めていかなければならないと改めて認識しました。これからサッカー活動も徐々に再開されて行くと思いますが、これまで普通だったことが普通ではなくなることもあると思います。今、そしてこれからのことを考えると色々な見直しを図るタイミングではないかと思いますので、大変な状況の中ではありますがJFA審判委員会からの情報を適切に受け取りながら推進していきたいと思います。来年は、皆さんと一同に会しての会議になることを願っています。ありがとうございました。

池添紀夫四国FA審判委員長(高知)
普段であれば、JFAからの指針を地域・各県に持ち帰っても十分に伝えられないことがありますが、今回オンライン会議で多くの関係者が参加できたことによって、JFAから直に伝えていただける機会となり、大変有意義な会議になったと感じました。
また、地域・各県としての事情や悩みも聞いていただき、真摯にお答えいただけたことにも大変感謝しております。
惜しむらくは、他地域の方と話す機会がなかったことです。集合開催であれば他地域の皆様とも話す機会があり、現場同士のコミュニケーションにこそ事業・活動を進めていく上でのヒントが隠れていると感じているからです。今後もオンライン会議は日常になっていくと思いますので、オンライン会議でも、現場同士でコミュニケーションが取れる仕掛けをご検討いただければさらに質の高い会議になるのではないかと考えております。

 

リスペクト~美しいサッカーのために~サッカーの活動における暴力根絶に向けてVol.96~ #jfa

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Jリーグの2020シーズンが始まり、今シーズンからVAR(ビデオアシスタントレフェリー)が本格的に用いられている。サッカーの特長である流れを止めてしまう、また「人間がプレーして人間がジャッジする」というサッカー本来の考え方から遠く離れてしまうなどと否定的な意見が聞かれる。一方で、ピッチ上の4人の審判員では確認しにくい事象の判断を援助し、正しく質の高い判定を提供することで、サッカーの環境をより良いものにしているという考え方もある。国際サッカー連盟(FIFA)や世界のトップリーグでの相次ぐ採用もあり、もうVARなしに立ち戻ることはできないだろう。

サッカーが生まれたのは1863年。統一した競技規則でプレーしようとイギリス・ロンドンに集まった11クラブが、14条の規則を起草して協会(Association)を立ち上げた。サッカーという名称は、当時の英国で、単語の語尾に“er”を付けた愛称とすることが流行し、「Association Football」も「Assoccer」となり、その後「Soccer」と呼ばれるようになったのだという。

サッカーの最初の競技規則には、審判員についての記述はない。そもそもサッカーは紳士がプレーし、紳士は反則を犯すことがない、仮に試合中に問題が発生した場合は、両チームの選手が話し合いで解決すれば良いとされていた。

しかし、サッカーが進化するにつれて簡単に解決することができなくなり、問題解決のために両チームからアンパイアを1人ずつ出して、話し合いをすることとした。それでもそこで収まらず、ピッチの外にいる中立の立場の有識者に裁定をお願いすることになり、「レフェリー」が誕生する。その後、アンパイアは中立のラインズマン(副審)となり、レフェリーはピッチ内に入って自ら問題解決に当たることになった。当時のレフェリーが着ていたフロックコートの色が黒であったため、審判員の服装が黒をベースとするものになり、持っていた杖が副審の持つフラッグへと変わっていったと言われる。

先日、日本フライングディスク協会の方からアルティメットの話を聞いた。アルティメットは7人制の競技で、フライングディスク(フリスビー)を落とさずにパスをして運び、得点を競うスポーツ。ディスクの飛行特性を操る技術や走力、持久力が必要とされることから「究極(アルティメット)」の名前が付けられ、フェアプレーを最も重要視したセルフジャッジ制を導入していることが大きな特徴だ。選手は競技者と審判員の二つの役割を果たし、選手同士で意見が相違した場合は、自分の意見と相手の意見を考慮し、事実に対して忠実に判断をするそうだ。初期のサッカーの紛争の解決方法と同じである。

もっとも、その実践はそう簡単ではなく、アメリカではプロ化に伴い、レフェリーを設置するようになってきたという。しかし、基本的な考え方は依然としてセルフジャッジにあり、競技の誕生以来変わらず、世界フライングディスク連盟もそれを貫き通す考えである。選手の中には不満を漏らす者もいるようだが、チームの中のフェアプレーを促進するスピリットキャプテンが、リスペクトを説くとともに、チームの“和”を図るのだそうだ。

サッカーも本来はそうありたい。選手も、審判員が自分と異なる考えを示せば不満を持つこともある。不満である表情をしたり、ちょっとしたアクションをとったりすることもあるだろう。それは自然なことだ。しかし、判定を委ねられた審判員の判断に、過度な異議を示すことは見苦しい。2019年のラグビーワールドカップ2019日本大会では選手のフェアな態度が称賛された。同じフットボールであるサッカーがなぜできないのかと言われているようだった。

サッカーの審判員は1試合で200~300の判断を行うと言われ、その中にはPKや退場処分など難しい判定もある。判定をより正しく行うためにVARが導入された。しかし、仮にVARによる判定であっても、万人が100%納得する判定とはならないだろう。ましてやVARのない試合では、論議を呼ぶ判定はこれまでと変わらず起こるに違いない。どうであれ、競技規則をしっかりと理解・遵守し、VARによる判定であろうとなかろうと、潔く受け入れること(判定へのリスペクト)が必要だ。

サッカーの競技規則には、主審の決定について「決定は、主審が競技規則および『サッカー競技の精神』に従ってその能力の最大を尽くして下し、適切な措置をとるために、競技規則の枠組の範囲で与えられた裁量権を有する主審の見解に基づくものである」と書かれている。審判員はサッカーをリスペクトしつつ、最大限の努力をしてベストの判定を下すことが求められているのだ。そして、「競技規則の理念と精神」には、「『美しいサッカー』の美しさにとって、極めて重要な基盤は『公平・公正さ』」とあり、「主審およびその他全ての審判員の決定は、常にリスペクトされなければならない」としている。

報告者:松崎康弘(JFAリスペクト・フェアプレー前委員長)

※このコラムは、公益財団法人日本サッカー協会『テクニカルニュース』2020年3月号より転載しています。

2019シーズン サッカー1級審判インストラクター勇退者 オンライン表彰式を開催 #jfa

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JFA審判委員会は、6月20日(土)に2019年のシーズンを持って勇退されたサッカー1級審判インストラクターの勇退者の表彰式をオンラインで開催いたしました。長らく日本トップの大会・リーグを支えていただいた勇退者の皆様には感謝状が授与されました。

勇退者一覧 ※五十音順

瀧野勝利(2008~2019年/11年間 石川県サッカー協会)
永松常徳(1997~2019年/22年間 大分県サッカー協会)
向井裕明(2008~2019年/11年間 長野県サッカー協会)
(故)山田等(1995~2019年/24年間 東京都サッカー協会)

勇退者コメント

瀧野勝利サッカー1級審判インストラクター(石川県サッカー協会)
多くの方にお世話いただき感謝をいたします。
審判インストラクターとして携わった活動は、大きな喜びと誇りです。新しいアプローチ、新しい分野やより深い内容を「学ぶ」ことの意義、人との関わりの中において何かに「取り組む」ことの緻密さを再確認することができました。
皆さまのご活躍と審判界の充実、そして日本サッカーの発展を祈っております。

永松常徳サッカー1級審判インストラクター(大分県サッカー協会)
振り返れば、審判と関わって45年。25歳で2級審判員資格を取得し、29歳で1級審判員、48歳で1級審判員を引退し、その後49歳で当時のインスペクター(現、審判インストラクター)となり、70歳で無事定年をむかえる事が出来ました。長きにわたり多くのJFA審判委員会関係者や諸先輩方には大変お世話になり感謝をしております。
思えば、人との繋がりの大切さを感じさせられた活動であったと思います。大分県で初めての1級審判員でした。自信を持って臨んだゲームでも課題はあるものです。そんな時はいつも、諸先輩方からの的確なアドバイスを受けながら、審判活動に向き合ってきました。審判員を引退した後は、審判インストラクターを務めさせていただきました。指導・評価する難しさを感じながら、向上するためには何をすれば良いかと試行錯誤でした。審判員が納得する指導やアドバイスが出来たかは未だに不安もありますが、審判に関わる仲間の皆様の今後のご活躍、御発展と御健康を願っております。
長い間本当に有難う御座いました。

向井裕明サッカー1級審判インストラクター(長野県サッカー協会)
この度1級審判インストラクターを辞することになりました。仕事環境が変わり、サッカーに接する時間が極端に減ってしまった事や、業務を優先せざるを得ない状況が増えた事などによるものです。とりわけ近年は、競技規則の改正が多くあり、また、審判界でも新たな試みが多数行われる中、仕事環境の変化により、研修会に向けた準備時間を割くことの難しさ、昇級を目指す審判員への指導に向けた準備時間の不足を感じていました。自分の引退により、他インストラクターへの影響を考えると心苦しい気持ちでいっぱいですが、苦渋の決断でした。
私は審判トレセンの1期生として1級審判インストラクターの資格を得ましたが、その時以来、ご指導・お世話を頂いたJFA、北信越協会、そして全国の審判インストラクター並びに審判員の皆様に、この場をお借りしてお礼を申し上げます。次にお会いした時もこれまでのように接して頂けたら嬉しく思います。日本サッカーの発展と各協会並びに関係者の皆様の益々のご健勝とご活躍をお祈りして、挨拶とお礼の言葉とさせて頂きます。本当にありがとうございました。


女子1級審判員研修会をオンラインにて開催 #jfa #nadeshiko

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7月4日(土)、5日(日)の2日間、女子1級審判員研修会をオンラインで開催しました。
本来であればなでしこリーグの前半が終了し、その振り返りを中心とした実地研修会となる予定でしたが、新型コロナウィルスの影響によりリーグ開幕が7月中旬に延期となったため、その準備としての研修会となりました。
41名の審判員が参加し、過去の試合映像をもとにしたテクニカル面におけるトレーニングを行いました。今後も定期的にオンライン研修会を開催し、審判団一丸となって強化を図っていきます。

インストラクターコメント

深野悦子インストラクター
なでしこリーグ開幕に向けた一連の研修会の最終回で、テクニカル面からのアプローチを行いました。
審判員はコロナ禍で約半年、実践から離れているため、試合を想起させるような仕立てとしました。約75分間で24のシーンを取り上げ、ファウルの判断、動きやプレーの読み、選手の安全を守る、ゲームの流れを大事にする、チーム戦術など試合を想定した様々な場面を取り上げました。
試合と同様、頭が汗をかく状況を作り出してはみましたが、実際の試合で審判員は何百もの判定を行い、更に身体の疲労も加わります。しかしながら、これまで培ってきた経験がありますので、恐れることなく試合に臨んでいただきたいと思います。
選手と共にサッカーのフィールドに立てる喜びを体現し、無事、試合終了の笛が吹ける事を祈っています。

参加者コメント

桐原純子女子1級審判員(神奈川県)
新型コロナウイルス感染症予防のためにサッカー活動ができなかったことを踏まえ、オンラインで映像を使った判定についての協議や、コンディションに関する講義、競技規則改正の講義等の研修を経て、今回はリーグ開幕直前ということでファウルやオフサイド等の判定や主審の動き等について、映像を視聴しながら審判員が見解を発表し、深野インストラクターから解説していただく形で進められました。今回の研修ではファウルや懲戒について、事象の程度とその基準を再度確認し、これまでの研修を通じて、リーグ開幕へ向けて積み上げてきたことの仕上げといった感じでした。
私自身は1月以降、試合を実践できたのも3月中旬までで、それ以降実践の場がなく、今回のように長期間試合ができなかったのは長く審判に携わっている中で初めてでした。今回の研修は直前の十分な試合実践がない不安を払拭すべく、今できる最善のこと、できる限りのことを準備するための研修と捉えました。過度な不安から心理的に不安定になることは、公正な判断を求められる審判員にとっては大きなマイナス要素で、それを取り除くための研修と感じています。今まで積み上げてきたものを拠り所に、この状況でできる限りのことに取り組み、試合までの残りの日々を前向きに準備していこうと思わせてくれた研修であり、心を奮い立たせていただいたこの研修に感謝しています。

厚地梨央女子1級審判員(鹿児島県)
今回は、なでしこリーグ開幕直前ということで、よりゲームへのイメージを膨らませてビデオクリップ全24シーンを判定しました。
約75分間で24シーンを判定することは、頭の切り替えや集中力も必要で実際の試合に近い感覚でできたと思います。フェアなプレーとは何か、反則に対する競技者の意図、接触部位、争点までの距離感や位置など、様々な要点を整理しながら判定することで、テクニカルな部分が伸ばせました。また、審判員それぞれの意見を共有出来たことで、私自身では気付けない部分も多く有意義な時間を過ごせました。
リモートでの研修でしたが、開幕に向けて全員でモチベーションを高める事ができたと思います。コロナ禍における状況ではありますが、円滑なゲームコントロールを出来るよう開幕に向けて最善の準備をして臨みたいと思います。

J担当審判員研修会をオンラインにて開催 #jfa

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Jリーグ中断期間中、Jリーグ担当審判員はオンラインによる研修会・勉強会を行っており、J1・J2のリーグ戦再開/J3開幕直前の6月19日~23日の間にそれぞれ研修会を実施しました。

インストラクターコメント

扇谷健司インストラクター
新型コロナウイルスの影響により中断されていたJリーグが6月27日にJ2再開、J3開幕となりました。また7月4日からはJ1も再開されました。中断期間中Jリーグ担当審判員はリモートでの研修会、勉強会を中心に自身のスキルアップに努めて参りました。
再開前の6月19、21日にはJ2担当審判員研修会を分散で開催、6月21日にはJ3担当、6月23日にはJ1担当が各カテゴリーにわかれて開幕、再開前研修会に参加し、今シーズンのテーマであるコンタクトプレーや競技規則改正、ハンドリングについての再確認を行い、最後には自身の安全を確保した上で審判活動に当たってほしいというメッセージを共有して終了しました。誰も経験をしたことがない難しいシーズンになります。審判員や指導者の方々が一丸となって素晴らしいシーズンにしてきたいですし、我々はサポートしていきたいと改めて感じました。

参加者コメント

西橋勲 1級審判員(大阪府)
125日間の中断を経て、Jリーグが再開しました。まず、この日を迎えるまで、私たちの生活を支えていただいた全ての方に、この場を借りて感謝申し上げます。ありがとうございます。
研修会では、Ray Oliver氏より少し早く再開したプレミアリーグの現状の話がありました。各国リーグが様々な工夫を凝らしながら試合を行っています。観客がいないことでこれまでの雰囲気と大きく違う難しさがあるものの「自分たちの仕事に集中することが大事である」とアドバイスがあり、具体的なイメージが膨らみました。
また、扇谷氏・宮島氏からは、コンタクトプレーの考え方や中断期間に行ってきたweb勉強会のまとめ、副審として主審への的確なサポートや精度の高いオフサイドの判断について話があり、2020年シーズンの再開に向けての意思統一ができました。
誰もが経験したことのない環境下ではありますが、私たちは『審判チーム』として1つ1つの判定に全力を注ぎ、選手・スタッフ・関係者の皆様と共に、サッカーを通じて笑顔と勇気を届けられるよう尽力します。

桜井大介 1級審判員(千葉県)
COVID-19の影響で研修会が開催できない中、WEB形式で勉強会が開催されました。
J2副審担当の勉強会では、主に「オフサイド」「主審との協力」についてディスカッションが行われました。
「オフサイド」については、エラーが起こってしまった際の原因を推測し、
・なぜそのような判断をしたのか・対策はどのようなことがあるか・他に考慮すべき事象があったか
などについて、時には本人からの話を聞きつつ、意見交換を行いました。
「主審との協力」については、事象が起きた場所や主審の位置などを考慮しつつ、自分の持っている情報を
・どのタイミングで・どんな方法で伝えることでより効果的で、より主審の助けとなる協力になるかについて意見交換を行いました。
WEB研修会ということでモニター越しではありましたが、仲間と顔を合わせてディスカッションすることにより、いつもの研修会のように本音で色々な意見を交わすことができ、とても有意義な勉強会となりました。
いよいよ各リーグが始まり、誰もが経験したことの無いようなことも多々起きるかと思いますが、関係者の方々の「安全を第一」に考え、サッカーを愛する皆さんのために努力し続けたいと思います。

松澤慶和 1級審判員(神奈川県)
J3開幕に向け、開幕前研修会がオンラインで開催され参加しました。そこでは、この中断期間に取り組んだ「コンタクトプレーの理解の整理」、「フィジカルトレーニングの振り返り」、「競技規則の改正」、「Jリーグ再開に向けた運営面の確認」を行いました。
特に、「コンタクトプレーの理解」については、今年のJリーグの目標である「激しくてフェアでエキサイティングな試合」を行うために、接触の前から接触後までのプロセスを正しく理解し、上半身・下半身・空中時の接触など、様々な映像を使いながら、この中断期間に力を入れて取り組んできました。コンタクトプレーの判定は一歩間違えば、皆が期待しない方向に試合が進んでしまうこともあり、重要なポイントになると思います。私たちは、選手が持つ力を最大限引き出すレフェリングを心掛け、Jリーグの目標である激しくてフェアでエキサイティングな試合が行なえるよう最大限の準備をして、試合に臨みたいと思います

2020年度フットサル2級審判員強化研修会 #jfa

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7月12日、19日、25日の3日間、オンラインで2020年度フットサル2級審判員強化研修会が開催されました。例年JFA全日本U-18フットサル選手権の付帯研修会として開催していましたが、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い大会が中止となったことから、各地域より5名の推薦をしてもらい、オンラインで講義・グループディスカッションを行いました。

7月12日(日) 北海道/東北/関西
7月19日(日) 関東/中国/四国
7月25日(土) 北信越/東海/九州

インストラクターコメント

櫻田雅裕氏 (JFA)
研修会は、参加者同士のコミュニケーションも含めて、オンラインでの研修会に慣れてもらい双方向でコミュニケーションが可能となるよう進めました。受講生同士がお互いの考えを共有し、そして地域を越えた仲間たちがアイデアを出し合い、レベルアップを図る良い機会となりました。昨今の状況からすると厳しい環境ではありますが、細心の注意を払いながら自身と周りの方々の健康に留意しつつ、活動が継続できるよう取り組んでほしいと願っています。今後もこのような環境下でもできることから取り組み、発信していきたいと感じています。

参加者コメント

佐藤紳弥 氏 (東北/秋田県)
フットサル審判員としての考え方、取組み方、役割を延本泰一フットサル1級審判インストラクターからレクチャーいただきました。その後2つのビデオクリップを視聴し4,5人でディスカッションを行いました。なぜそのような判断に至ったか、こうならないためには対策はどのようなことがあるか、他に考慮すべき事象があったかなどについて、意見交換を行いました。櫻田インストラクターのレクチャーでは、事象をまず把握し、角度や距離、精神状態など、どのような時に正しい判定ができるのか、どのような時に正しい判定ができないのかという「審判員」としての役割を確認し、競技規則の精神である「競技者の安全」「プレーする喜び」「公平・公正」を再認識し実りあるものとなりました。まだまだ予断を許さない状況ですが、モチベーションを高めることができました。開幕に向け準備を進めていきます。

藤澤誠氏 (四国/愛媛県)
今回の研修会のテーマは、「より良い判定/事象対応を目指して」でした。まず講義として、フットサル競技規則の理念と精神(公平・公正・安全・喜び)の確認、それを踏まえ試合映像を見てどのようにふるまえば良かったか、質問形式で話し合いました。次に事前に共有されていた映像を用いてディスカッションを行い、事象整理や正しい競技規則の適用がなされていたかを分析し発表を行いました。良い判定を行うために事象の把握(いつ、だれが、どのような状況・場面で)、審判員の理解(どんなときに正しく判断できる、またはできないのか)が必要であるということを学びました。審判活動を続けるにあたって大事な基礎となる考え方を教わることができました。

宮口広起 氏 (北信越/石川県)
今回のオンライン研修については、双方向のコミュニケーションを意識しながら研修に取り組みました。例年と違い、各地域から複数名参加することができ、出席者が増えたことで、より活発な意見交換・情報共有ができたと感じています。
競技規則の精神を理解する重要性や、審判員が良かれと思っていたことが、公平・公正さを欠くケースがあるなどの事例を確認することもでき、自分自身の行動や、試合の進め方を振り返る良い機会となりました。グループディスカッションでは二つの映像をグループ内で議論しましたが、判定について意見が分かれることもありました。私たちは映像の内容を判定しがちですが、「なぜこの判定になったのか」「良い判定をするためにはどうすべきか」というロジックを意識しながら今後に活かしたいと感じました。
二人の審判員が笛を持つことがフットサル審判員の醍醐味だと私は感じていますが、「審判員を理解する」という点は、非常に興味深い内容でした。反対側のレフリーが今、何を見ているか、感じているか、などを読み取った上で、自分の判定と照らし合わせ、アクションを起こすことが今の私たちに求められているのではないかと感じました。今回の研修で感じたことを地域や県に還元し、より魅力的なフットサルを支える一人になりたいと思います。

2020/21 フットサル競技規則改正 解説映像を公開 #jfa

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JFA審判委員会は、6年振りに大きく改正されたフットサル競技規則を理解頂くため、改正点を説明した映像を作成しました。フットサル競技規則の改正点をまとめた映像の公開は今回が初めてとなります。
通達文はすでに展開され、本ホームページにも掲載されていますが、AFCやFリーグの協力の下、様々な場面の映像を用いることで、フットサルを楽しむ方々に向けてよりわかりやすく説明したものです。是非、ご覧ください。

目次

0'37~ キックオフ
1'18~ ペナルティーエリア内のフリーキックやゴールクリアランス
2'24~ ドロップボール
2'41~ フリーキック時の壁
2'55~ テクニカルエリア
3'43~ ピッチ外での反則
4'02~ ハンドの反則
5'45~ ピッチの新しいマーキング
6'25~ 交代要員のウォームアップ
6'36~ 競技者の用具
7'07~ キックイン
8'10~ ピリオドの終了
9'04~ ゴールの移動
10'20~ ゴールキーパーの負傷
10'59~ ペナルティーマークからのキック
11'55~ 決定的な得点の機会の阻止
14'39~ 4秒のカウントのシグナル

異なったものをリスペクトする~サッカーの活動における暴力根絶に向けてVol.98~ #jfa

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サッカーが戻ってきた。

この冬に始まり、さまざまに世の中を震撼させてきた新型コロナウイルス感染症による未曽有の事態。緊急事態宣言も解除され、まだまだ多くの制限があるものの、Jリーグも再開し、かつての日常に向けて進み出している。近くには、その他さまざまなサッカーの活動も再開されていくに違いない。

聞き捨てならないと感じるのが、感染者(濃厚接触者を含む)、医療従事者などに対する誤解に基づく偏見と差別。誰とて感染したいわけではなく、感染してしまっただけである。ましてや医療従事者の方々は、新型コロナウイルス感染症対策の最前線で働いていただいている。風評やデマを信じての行動は、新型コロナウイルスそのものよりもずっと怖い。

逆に、感染を心配して行動を自粛しようとしている人への差別も心配だ。サッカーが始まったが、参加に二の足を踏む人もいるだろう。この人たちを逆に遠ざけたり、排除したりしようとすることは絶対に許されない。そんなふうに思う仲間が不安と感じることを理解するとともに、安心してプレーできる環境をつくり、早い復帰を可能にすることが肝要だ。

アメリカを中心に、黒人に対する人種差別が大きな社会問題になっている。差別にはいくつかの類型があるのだろうが、原因の一つに他者排除が考えられる。何か“異なったもの”が入ってくると、それまで安定していた状態が崩れる。“異なったもの”は、もしかすると人種であったり、宗教や性的指向、あるいは信条やものの考え方であったりする。自分とは相容れないものは怖く、不快に感じ、排除する。村社会である。異なったものがあることのすばらしさ、異なったものをリスペクトすることの必要性は感じられないのだろうか。

もう一つは、弱者に対する差別。マイノリティーに対して、また、残念ながらまだ存在する男性の女性に対する差別。差別ではないかもしれないが、自分の優位性を盾に、弱者に対しての攻撃。とても怖い。

2019年の日本サッカー協会(JFA)の暴力等根絶相談窓口へ相談件数を見ても分かるが、相談の約7割が18歳未満の選手などに関する相談だ(4種:36%、3種:21%、2種:12%)。相談の全てに暴力や暴言などの事実があるとは言わないが、大人から子どもという弱者に対する攻撃は後を絶たない。

2019年8月、国際サッカー連盟(FIFA)は「FIFA Guardians(子ども安全保護プログラム)」を発行した。「児童の権利に関する条約」に規定される子どもたちの権利を、サッカーを通してリスペクトし、推進しようというものだ。アジアサッカー連盟(AFC)も本プログラムの担当者を設置するなど、サッカー界は子どもたちを守ろうと動き出している。JFAも言わずもがな。これまでも、「プレーヤーズファースト」「グリーンカード」「ウェルフェアオフィサー」などさまざまなプログラムを行ってきているが、FIFAのプログラムと連携し、これまで以上に強化していく必要がある。

子どもたちを守ることについて、先進的だと感じるのは、イングランドサッカー協会(The FA)だ。イギリス政府による、2006年の子どもの安全保護の共同取り組みに基づき、18歳未満の選手に関わる人(運営、指導者、審判など)の犯罪履歴のチェックと安全保護に関するワークショップへの参加義務を設けた。さらにはワークショップ/ウェルフェアオフィサー研修会に参加した担当者がいないクラブは大会に参加できないという、しっかりとした建て付けになっている。法的な裏付けもなく、ここまで日本で実施することはできないが、その良さやエッセンスをカスタマイズして取り入れることは可能である。また、日本の文化や日本人の行動様式を念頭に入れたプログラムも作成し、実行していくのだろう。

最近、より良いレフェリングのための手法の一つとして、「ゲーム・エンパシー」を考えることがある。審判員の立場からの観点のみでゲームマネジメントをするのではなく、判定を行うときに選手はどのように感じて、あるいはサッカーとしてどのようなことを期待しているのかを考えてレフェリングをしようというもの。競技規則を逸脱しての判定はできないが、ゴールラインを越える・越えないなどのファクト(事実)以外、判定は審判員の裁量に基づいて下されるものであり、エンパシーを持って、その場に最も良い判定を行おうというものだ。

エンパシー(empathy)は同じく「共感」と訳され、シンパシー(sympathy)と混同されることもあるが、シンパシーが相手を同情する、思いやるというのに対して、エンパシーは相手の立場に立って考えてみるというもの。物の本によると、イギリスでは、人種の違い、経済格差、あるいは価値観の多様性に適用するための教育が小中学校で行われているが、エンパシーの理解もその一つだという。「自分で誰かの靴を履いてみること」という(英語にある)表現は、理解しやすい考え方かもしれない。

新型コロナウイルス感染症対策で、これまで以上にしっかりとした衛生環境を構築する、自分の生活手順を変えていく。なかなか厄介だ。しかし、われわれのサッカーが戻ってきて、それを楽しめることは何よりである。この機会に、新しい環境に順応し、さらには自らをより良いものとしていきたい。それらは、この困難から生じた、あるいは明らかになった、“異なったもの”を相手の立場に立って柔軟に受け入れることだったり、子どもたちを含むさまざまな弱者への対応に順応していくことだったり。そしてわれわれは、これらがトップからグラスルーツまで広く、かつ深く浸透するように行動(活動)していかなければならない。

【報告者】松崎康弘(前JFAリスペクト・フェアプレー委員長)

※このコラムは、公益財団法人日本サッカー協会『テクニカルニュース』2020年7月号より転載しています。

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