2016年第2回J1・J2担当審判員研修会を4月9日(土)、10日(日)にJFAハウスで実施しました。
今回の研修会は、「これまでのJリーグにおけるレフェリングの振り返りを行い、プロリーグを担当するレフェリーチームとしてマネジメントの統一性・一貫性を高めること」を目的に行いました。
主審担当、副審担当の合同のセッションでは、今シーズンに起きた事象を映像で確認しながら、判定をする際の考慮点をあらためて整理し、判定基準のすり合わせを行いました。またレフェリーチームとして試合運営を円滑に行うためにマネジメントが必要となる場面では、主審・副審がどのような行動を起こすことがいいのかをディスカッションし、主審からの観点と副審からの観点のすり合わせを行いました。
主審担当、副審担当それぞれのセッションでは、主審担当は動きやポジショニングについて、副審担当はオフサイドの判定について、正しい判定に結び付けるためにどういったことが必要かという観点で、映像を確認しながら話し合いを進めていきました。
4月下旬から5月にかけての連戦を前に、有意義な研修会となりました。
参加者コメント
大坪博和 1級審判員(神奈川県)
正しい判定に結び付けるためにいろんな方法で準備を行い、積極的にトライしていく重要性を感じました。2月に開幕したJリーグにおいて、これまで起きた様々なシーンの映像を確認しながら、グループに分かれてディスカッションをしました。同じシーンでも審判員によって異なる見方になることもあり、全員で色々な意見を出し合いながら修正したり、質を高めるためにどうすべきかなどを共有しました。具体的には、主審のポジショニングや動き、角度、予測など、正しい判定をするにどうすべきであったかを話し合い、また副審として主審の位置や距離等を観ながらどういうサポートが出来るか、コミュニケーションシステムでどういう情報を伝えるべきかを話し合いました。同じ様なシーンになった場合の引き出しを一つでも多く持っておくことで、試合をスムーズに進行し、レフェリーチームとして正しい判定に繋げたいと思います。質の高い判定が一つでも多く出来れば、魅力あるJリーグに繋がると思っています。レフェリーとして90分間正しい判定をすることで、選手・スタッフ、そしてサポーター全員がサッカーに集中できる環境を作り出せると考えますので、これからも様々な事を追求しながら、一試合一試合、集中してチャレンジしていきたいです。
平間亮 1級審判員(宮城県)
前半のセッションは主審・副審担当の合同で行われ、「選手やチーム関係者と交わした約束」である今シーズンのスタンダードについて研修しました。その中でも「危険なファウルタックルについて統一した基準を確立する」テーマでは、実際の試合でのシーンを使い、「判定をする際の考慮ポイント」に沿ってディスカッションをしました。ほかの審判員と意見交換をすることで、自分の見方とは違った視点にも気付かされ、理解を深めることができました。特に経験豊富な先輩審判員の意見はとても参考になりました。
後半のセッションは主審担当と副審担当に分かれて行われましたが、副審はオフサイドの判定がテーマでした。ここでも実際の映像を使い、オフサイドの判定ミスの原因と対応策についてディスカッションを行いました。「信頼感のある動きとポジショニング」から正しい判定につなげるためには、試合中だけでなく日頃のトレーニングから工夫をして積み重ねていくことが大切であることを再確認できました。今回の研修が「勉強になった」だけで終わるのではなく、自分のものとなるようしっかりと理解・吸収し、試合の中で当たり前のように発揮しなければならないと強く感じています。