12月25日(月)から29日(金)までの5日間で開催されたJFA 第47回全日本U-12サッカー選手権大会のために、全国9地域から32名のU-18審判員と14名の地域インストラクターが集まりました。
全147試合(本大会87試合、フレンドリーマッチ16試合、マクドナルドフレンドリーカップ44試合)の審判を担当し、審判指導者とともにチーム・競技者がそれぞれの試合で全力を出し合って競えるよう審判TEAMとして努力しました。
インストラクターコメント
高橋武良 JFA審判マネジャー(日本サッカー協会)
全国から集まったU-18審判員(女子6名、男子26名)が今大会の試合を担当し、地域とJFAの24名のインストラクターが審判員をサポートすることで、選手・チームがそれぞれに力を出し合って競い合う試合環境を作ることに努力をしました。
大会に向けて、11月から審判員・指導者でオンラインを利用した3回の勉強会では、昨年度の試合映像など活用して、「大会が開催されている趣旨」「U-12年代の試合の特徴」「大会で求められている審判員の姿」などについて理解するだけでなく、各地域や都道府県でトレーニングなどを積んで準備をしました。また大会期間中は、オフザピッチでの活動から準備を行い、試合にマッチしたレフェリングを目指して試合にのぞみました。
試合ではうまくいったこともあり、試合にマッチさせることができなかったこともありましたが、大会の全147試合(本大会87試合、フレンドリーマッチ16試合、マクドナルドフレンドリーカップ44試合)の試合終了の笛を吹くことができたことに、試合実施にあたり協力をいただきました皆さまに感謝申し上げます。
大会が鹿児島で開催されるようになって9年が経ち、参加するチームのサッカーは大きく変わってきていると感じています。大会へのユース審判員を派遣して9年目を迎えましたが、改めて大会の試合にあった審判員を全国から集められるように、JFAと地域・都道府県で協力して準備をしなければならないと感じる大会でもありました。
最後に、全国から集まった審判員たちは色々な不安をかかえながら鹿児島に集まってきましたが、地元の役員の皆さんや主催者・大会役員の皆さんからの励ましにより、それぞれが意識高く試合に臨むことができたと思っています。励ましを頂いた皆さまに感謝するとともに、審判員・審判指導者の派遣に協力いただいた地域・都道府県FA審判委員会の皆さんに感謝申し上げます。
審判員コメント
工藤悠太 3級審判員(青森FA)
この度は第47回全日本U-12サッカー選手権大会に審判員として参加させていただき、ありがとうございました。
この大会では、全国から個性豊かな審判員と交流そして友達になることができました。また、普段関わることのないサッカー関係者とも関わることができました。
この大会で私はリスペクトについて深く考えさせられました。1日目に行われたリスペクトショップで選手が書いていたリスペクトボートの中に親に感謝するや環境に感謝するなどといったことの中に「審判に感謝する」「判定は審判に任せる」といった言葉があり感動しました。選手は審判に判定を任せてくれているんだなと思い、ますます選手から信頼される審判になりたいと思いました。
決勝の担当が決まった時そして試合を終えた後に多くの審判員から「おめでとう」「頑張って」「お疲れさま」といった言葉をいただき、私は最高の仲間を手に入れたなと思いました。
この5日間は一生忘れない思い出になりました。ありがとうございました。
今回、このような貴重な体験をさせていただきありがとうございます。
本当に、このような機会を与えてくださったJFA、各地域FA、サッカー関係者各位の皆様に心より御礼申し上げます。
小林彩乃 3級審判員(長崎FA)
今回は、全日本U-12サッカー選手権大会のユース審判員として大会に関わることができたこと、また、未来の日本代表を育成するための重要な大会に携わることができたことに鹿児島FAの方々を始め、たくさんの方々に感謝しています。
私が今大会で学んだことは、リスペクトの気持ちです。開会式終了後のリスペクトワークショップでは、チームのディスカッションに参加させていただき、選手の話を直接聞くことができました。選手たちは「リスペクトとは何か?」の問いに、「両親にありがとうを言う」「倒れている選手に手を差し伸べる」「遠くに行ったボールを拾いに行く」など選手自身が考えたたくさんのリスペクトを発表してくれました。これを聞き、リスペクトは一括りにはできない、サッカーにとって大事な考えだと改めて実感することができました。
最後となりますが、大会運営に関わってくださった方々や指導してくださったアセッサーの方、アドバイスをくれた審判員、そして切磋琢磨した最高の仲間たちと出会えて、共に審判をできたことに深く感謝いたします。
高浪遼太郎 3級審判員(高知FA)
まずはじめに今回の大会、研修会の関係者の皆様、そして一人制審判を理解し受け入れてくださった指導者および選手と保護者の皆様に感謝申し上げます。
私は様々な方のサポートのおかげで全国大会に参加でき、多くのことを経験し学ぶことができました。
大会に携わらせていただいた5日間でこれまでの「オフザピッチ」の考え方が大きく変わりました。以前は、私個人の行動や言動が審判員という集団として見られてしまうことを理解して行動することだけだと考えていました。今大会で、決勝トーナメント進出チームが決定する一次ラウンド最終戦や準決勝を担当させて頂き、チームの置かれている状況やプレースタイルを事前に勉強することで試合の展開の予測がしやすくなることも含め「オフザピッチ」であることを知りました。
今後は、今大会で学ぶことのできた「試合中の不安要素を試合前に減らすこと」でより良いレフェリングに繋げます。
地域インストラクターコメント
籾山智哉 2級インストラクター(北海道FA)
本大会を成功させるため、全国から多くのユース審判員、地域審判インストラクター、またJFA審判インストラクターが鹿児島県に集まりました。
大会スローガンである「勇気は君の武器になる」を選手同様、審判員もこれをテーマにし、インストラクターは審判員に対し、勇気を与えられるような指導をこころがけ指導をおこないました。
大会を迎えるにあたり事前研修を複数回行い、この大会を成功させるために、審判チームとして選手のために何ができるかを考え、研修を重ね、大会に臨みました。
審判員はそれぞれの経験や課題が異なる中、一人ひとりの審判員をどのように指導をしたら、各自のストロングポイント=武器を伸ばし、課題点を改善させられるか、そして、目の前の試合でチャレンジさせ、次に繋げ、その繰り返しでこの大会の成功に繋げることを常に考慮し、指導にあたりました。
一試合一試合U-12選手達の努力と成長同様、ユース審判員の努力と成長が見られ、その成長幅は想像を超えていました。それと同時にインストラクターとしての課題の抽出や伝える力がより重要になるということがわかりました。ユース審判員と過ごしたこの経験は非常に貴重な経験であり、今後も、「勇気」をもち、選手のために活躍できる審判員を育てていきたいと思います。
内山翔太 2級インストラクター(静岡FA)
審判TEAMとして「時間を意識する・雰囲気から気づく・やってみる」の3つをキーワードに計3回の事前研修会からスタートし本大会を迎えました。参加する審判員にとって初めての経験が多い中、インストラクターとしてどのようなサポートできるか不安でした。キーワードそのものは難しいものではありませんが、容易と思われるものほど確実に実施することの大切さに気づくことができました。普段1級審判員として活動している中で当然できている行動も、私が審判員を始めたころに当たった壁であり、参加審判員が悩んでいることであったため、初心を思い出すことができました。今大会は4日間の限られた時間であり多くのことを伝えることはできませんでしたが、伝えたことを素直に吸収し、振舞いに反映させていた高校生に成長スピードには感動しました。JFA及び地域インストラクターの皆様の審判員へのかかわり方も非常に勉強になるものばかりでした。インストラクターの大変さや重要さを感じる大会であり、ここで得た経験を若手審判員の育成に生かしていきたいです。また、現役審判員として後輩審判員の一生懸命な姿を見て、さらなる高みを目指し活動していかなければならないと強く感じました。