各都道府県サッカー協会の方針や活動内容を、「シニア」「第1種」「第2種」「第3種」「第4種」「キッズ」「女子」「フットサル」「ビーチサッカー」「審判委員会」「施設委員会(環境整備)」「技術委員会」「障がい者サッカー」の13テーマの下、紹介しています。全国各地でどのような活動が行われているのか、この機会にぜひご一読ください。
今回も引き続き、審判委員会の取り組みをご紹介いたします。
※以下の寄稿記事は、公益財団法人日本サッカー協会機関誌『JFAnews』2016年1月情報号「REGIONAL NEWS」コーナーにも掲載されています。
審判委員会の取り組み~長野県サッカー協会
山際将史(育成部)
「長野県の実態に合った研修スタイルを模索していきたい」
長野県サッカー協会では、審判技術の向上を目的とした研修会「審判セミナー」を月1回、主に松本市内の県フットボールセンターを拠点に開催しており、今年で6年目を迎えます。これまで延べ80人以上が参加し、研さんを積んできました。長野県は山間地が多く、広い県内を移動するにも負担がかかります。開設当初は平日の夜にどれだけ人数が集まるのかなど、不安材料も少なくありませんでした。しかし、多くの方のサポートを得ながら毎年15人前後の受講生が集まり、活動を続けています。
セミナーは1回3時間の枠の中で、講義と実技を行います。受講生の年齢層は中学生から60代までと幅広く、毎年、昇級者も出ています。特に昨年は、県内初の高校生2級審判員が誕生するなど、ユース審判員の活躍が目立ちました。また、審判インストラクターの資格を持つ者もおり、指導する立場からの意見を聞くなどディスカッションではさまざまな角度から話が盛り上がります。講師は、県内の1級審判員が担当し、普段のレフェリングから得られた経験をもとに、受講生の実態に合わせた講義や実技を展開しています。
現在の特徴的な活動に「U25育成プログラム」が挙げられます。学生を中心とした若手審判員を対象に特別な昇級プログラムを編成し、3級昇級への道筋をつくっています。例えば、平日の夜に行われる高校生の練習試合を活用して、実践的なトレーニングを行うなど、今までにはなかった新たな取り組みにもトライしています。そして、昨年度はこのプログラムに4人が参加、実技、筆記、体力テストをクリアし、晴れて3級に昇級することができました。
セミナーの運営や研修内容などは、試行錯誤を繰り返している段階であり、年度ごとに新たな取り組みを加えながら、今後も本県の実態に合った研修スタイルを模索していきたいと思っています。昇級やユース審判員の増加など、数字として目に見える形での成果も大事にしながら、受講生の皆さんのスキルアップという本セミナーの目的にアプローチしていきたいと考えています。