日本サッカー協会は、12月19日(土)~20日(日)、女子1級審判員を対象とした、第3回スキルアップ研修会を実施しました。
皇后杯も終了し、女子は現在、大学、高校、ユースの3つの全国大会が開催されています。
今研修会は、皇后杯準々決勝を観戦しての試合分析、危機管理、今季の目標に対する振返り、来年に向けた目標設定、AFCセミナーの模擬(全て英語で実施)といった内容で行われました。
今回初めて、お子様連れで参加した審判員がいらっしゃいました。生活環境が変わっても審判を続けるこういった方を、審判委員会女子部会では支援していきたいと考えています。
インストラクターコメント
山﨑裕彦審判S級インストラクター(北海道)
「なでしこジャパン」が世界で活躍しているように、日本の女子審判員も各世界大会に毎回のように指名を受け、アジアの中でも最優秀レフェリー賞を受賞するなど毎年継続した活躍を形として残しています。審判員一人ひとりの献身的な努力の成果でもありますが、常に全体の底上げを効果的に進めていくかを模索しながら、女子全体の試合環境から研修会の持ち方まで、かつ連絡調整から実施までを行っている女子部会の裏方の努力もわかることができました。
研修では、試合分析という中で、担当した審判員が試合中に感じたことや考えたことを率直に伝え、また、それに対して参加した仲間の審判員からの質問や改善のために各自が行っている実体験を率直に出し合う中で、それぞれに新しい情報が共有できたと感じました。また、資質向上の話しから審判へのヒントを得たり、目標設定シートの振り返りを行うなど年間を通した計画性のもとに進められていました。文字にすることで冷静に振り返ることができ、また、目標を見失わずに前進できている様子が、表情から伺えました。最後には、希望者限定でしたが、AFCでのall Englishによるセミナーの様子を体験するレクチャーもあり、とても興味深く見学させていただきました。参加して、改めて審判員に求められていることが広がっていることを学ばさせていただきました。
参加者コメント
新妻久美女子1級審判員(東京)
目標達成用紙(マンダラート)の作成では、明確な目標を立て、さらに細分化して書き出すことで、思考が深まり、より自分の目標が明確になったと思います。書いている側からどんどんイメージが浮かび、すぐにでも実行に移したいと感じるほどでした。また、プレゼンテーションやマネジメント能力の必要性にも気付かされました。自分の考えを的確に表現し、周囲を動かすことはゲームにおいても必要不可欠なものです。トレーニングを積み、自信を持って堂々と出来るようになりたいと思います。短い時間での研修でしたが、得るものや感じるものが多く、来シーズンに向けての良い動機づけとなりました。目標を具現化できるよう、日々努力してまいりたいと思います。
受講者コメント
柳村彩乃女子1級審判員(京都)
今回の研修会は皇后杯の試合を観戦し、グループごとで課題を検討しました。グループごとに課題は違いましたが、たまたま同じシーンをピックアップしていたりして、さまざまな観点から観ることができました。そして、実際の試合を見ながら意見交換をすることで、普段の自分が意識できてないこと、どこにフォーカスを当てている結果、そのような判断になってるかなど、ビデオ分析では気づけない部分をみつけることができました。また、今回の研修会では危機管理ということで3つのお話をしていただきました。特に私が印象的だったりことが「なぜなぜ分析」です。ミスが起きた時にその原因について「なぜ」を繰り返し追求していくと思ってもいないような結果が出るというもので、レフェリーに置き換えてもなかなか改善できない課題などに対して追求していくことで色々な気づきがあり、改善に繋がるのではないかと思いました。今後のレベルアップに活かしていきたいです。