日本サッカー協会は、2019年度1級審判インストラクター研修会を4月6日(土)と7日(日)の両日、JFAハウスで開催しました。この研修会は、審判員の評価を行うアセッサー担当以外の1級審判インストラクターを対象に行われ、39名が参加しました。
参加者は、アセスメントスキルの向上を目指し、JFA審判インストラクターからの講義やグループワークを通じて評価やレフェリング分析について学びました。
インストラクターコメント
伊藤力喜雄審判委員会指導者部会員(S級審判インストラクター)
指導者部会の一員として今回の研修会をマネジメントさせていただきました。アセッサー担当以外の1級審判インストラクターを対象として開催された今回の研修会の内容は、アセスメントスキルの向上を図ることに特化したものにしました。それは、この研修会に参加したインストラクターの方々に、今後全国大会でのインストラクターを担当していただく重要な役割を担っていただくことになるためです。今回の研修会を、その準備の一環として位置付け、内容を「アセスメントの修正点についての説明」、「課題試合映像の評価の摺り合わせ」、「レフェリングアナリシス」などとしました。キーインシデントの考え方、アセスメントレポートを作成する際の考慮するポイントが整理できたほか、レフェリングアナリシスでは、映像分析による審判員の課題抽出とその改善点の提案などについて議論されました。各セッションでは、担当した講師の指導の下、グループワークなどを通じて活発な意見交換がなされました。
柏原指導者部会長をはじめ部会メンバーのほか審判部の方々の素晴らしいサポートにより、無事研修会を終えられたことに感謝し、課題や修正点を振り返り今後に生かしていきたいと思います。
受講者コメント
山崎和彦 1級審判インストラクター
研修会冒頭はアセスメントについてでした。課題試合の内容をグループディスカッションでまとめ、その後キーインシデントと各項目のパフォーマンスを主に、考え方やポイントなどについてわかりやすく整理された説明が行われました。各審判員のパフォーマンスの評価でのバラツキがより小さくなり、改善点のアイディアを提示する事にも繋がる非常に重要なセッションでした。2日目は競技規則テストでスタート、次のFKマネジメントではグループで進め方の手順を考え発表、映像を見てマネジメントの分析を行いました。進行役は、私を含め今年アナリシス研修を受けた5名が担当し、手順を守る重要性を再認識してもらい、またゲーム分析の中でFKマネジメントにあまり注目していなかったのではないかとの投げ掛けをも意図しました。いつもと同様、いやそれ以上に充実した2日間でしたが、今回は特に進行役という経験と勉強の場を与えて頂き、柏原指導者部会長をはじめ関係者の方々には感謝すると共に今後の活動に活かしていく事は言うまでもありません。ありがとうございました。
高橋寿 1級審判インストラクター
今回の研修は、普段、アセッサー活動をされている方ではなく、主にインストラクターとして活動している人を中心とする研修でしたが、初日は小川委員長の挨拶の後、アセスメント、課題試合の評価の摺り合わせを中心とした研修が行われました。評価の摺り合わせはグループによるディスカッションを行いましたが、改めていろんな角度から見られている方や同じ事象でも違う見方をしているなど、活発な意見交換から考え方、捉え方を同じ方向へある程度集約出来ました。評価点の考え方も最新の情報を伝えて頂き、参加者の「幅」を縮めることが出来たと実感しています。2日目は競技規則テストで悪戦苦闘し、規則改正を含む最新の競技規則の読み込みの大切さを更に実感しました。その後、山崎和彦インストラクターの進行のもとレフェリングアナリシスFKマネジメント研修を行いましたが、楽しく有意義な研修になりました。自分では理解していたつもりのFKマネジメント手順ですが、噛み砕いていくと様々な考え方があり、意見を出し合うことによって再発見の出来る事があることを改めて実感しました。今年から1級インストラクター活動としてのスタートとなりますが、今後も研鑚を積み重ねていく決意です。今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。