9月23日(水・祝)、JFAハウスにて、女子1級審判員を対象とした第2回スキルアップ研修会を実施しました。今回は女子1級審判員に加え、各地域2・3級の女子審判員や女子を指導する審判インストラクターへも門戸を広げ、オブザーブ参加していただきました。
【研修会の主なプログラム】
・なでしこリーグ レフェリング分析
・(サッカー外)「ホスピタリティと接客マナーについて」
・2015FIFA女子ワールドカップカナダ 参加報告(主審:山岸佐知子、副審:手代木直美)
・2015FIFA女子ワールドカップカナダ テクニカルスタディグループ(TSG)報告(TSG:大野真)
インストラクターコメント
鮎貝志保 S級インストラクター
今回のスキルアップ研修会では、通常行っている映像分析の他に、TSG大野真氏から、FIFA Women’s World Cup Canada 2015 Technical Study、審判員として同大会に参加した山岸佐知子さん、手代木直美さんからも、試合はもちろん、トレーニングや普段の生活について詳しく報告をしていただきました。一つの大会について技術側と審判側から同時に報告いただくのは今回が初めてで、日本、世界の女子サッカーについて理解を深める大変貴重な機会となりました。世界の舞台で活躍する仲間から刺激を受けたことはもちろんですが、審判員としての役割や責任の重さも再認識することができたのではないかと感じています。
参加者コメント
千葉恵美女子1級審判員(千葉)
今回のスキルアップ研修会では、4つのテーマが用意されていました。私が一番印象に残っているのは、鮎貝インストラクターによる「ホスピタリティと接客マナーについて」です。一見、審判とは関係のない接客の話でしたが、話を聞くうちに内容に引き込まれました。あごの角度一つで人に与える印象が大きく違うことや、表情のつくり方、挨拶は分離して行う。おもてなしは、相手が何を求めているのかへの気づき。普段の社会生活においても、審判においても活用できる部分が多く、興味深い話でした。レフェリングは、ピッチ内だけでなく、ピッチ外でも培われるものであること、人間性を磨くことが良い審判に繋がっていくのだと思いました。
また、カナダで行われた女子ワールドカップに参加された山岸さん、手代木さんから大会の報告があり、女子も男子と同じ流れになっていること、これまでの大会以上に主審、副審が求められているものが専門的になっていることを感じました。テクニカルの大野さんから、大会を通じてテクニカルでスピーディーでコレクティブでタフな試合が多く見受けられたとの報告があり、チーム戦術とレフェリングは常にリンクしていくものであること、戦術の新しいスタイルが確立してきていることを改めて感じました。後期に向けて、この研修会で学んだことを生かせるように頑張っていきたいと思います。
浦島智美女子1級審判員(富山)
世界では、サッカーという競技が『テクニカルに、スピーディーに、コレクティブに、そしてタフに』どんどん進化しており、女子サッカーもそういったスタイルに近づいていることを考えると、私たち審判員もそういった女子サッカーのスタイルに対応すべく、技術のレベルアップを図らなければならないということを感じました。今年は、ワールドカップがカナダで開催され、日本から山岸さん、手代木さんのお二人が参加され、その時のお話を聴かせていただきましたが、ワールドカップに参加するにあたり、参加が決まるまで、決まった後から大会があるまでの努力、苦労は計り知れないものがあると思いました。しかし、その中でも、目の前にある次の試合をしっかりとレフェリングすることが目標であるということをお聞きし、どんな大会でも一つ一つ自分が担当する試合を責任もってレフェリングすることの大切さをあらためて感じました。
試合では、選手や自分自身の心理的要素、周囲の環境・状況、試合の流れなどいろいろな面でコントロールしていかなければなりません。起こるはずのないことが起こる可能性もあります。そういったときに瞬時に適切な対応がとれるか、また選手が試合に集中できる環境を作るために、自分ができること、しなければならないことをこれからしっかりと学んでいきたいと思います。また、この研修では、ホテルマンのホスピタリティー=おもてなしも教えていただきました。人が良い雰囲気を感じる際にどういったところを重視するかというお話では、言葉遣い7%、声のトーン38%、外観、振る舞い(ボディーランゲージ)55%といった結果を受けて、普段の自分もそうですが、女子1級審判員としての自分もどうか、レフェリングしている姿はどうかなど、ホテルマンと審判員の自分を照らし合わせながら考えてみました。まだまだ、やるべきことはたくさんあります。審判員として、レフェリングの技術も当然、レベルアップしていかなければなりませんが、ぜひ人としても、もっと自分を成長していきたいと思いました。