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「全ての人がワクワク、ドキドキする試合をつくり続けたい」家本政明主審Jリーグ通算最多出場記録更新記念インタビュー #jfa

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2021明治安田生命J1リーグ第20節サガン鳥栖-名古屋グランパス(駅前不動産スタジアム)において家本政明主審が通算503試合を迎え、リーグ戦通算最多出場記録を更新しました。記録更新を記念してインタビューを実施しました。

○オンライン取材日:2021年7月20日

――Jリーグ担当審判員(主審)として通算503試合を達成しました。まずは率直なご感想をお願いします。

家本 うれしい気持ちよりも驚きが強いですね。私自身はスタジアムにいらっしゃるお客さんや視聴者の方にフットボールを楽しんでいただくこと、選手のパフォーマンスを引き出すこと、フットボールとしての魅力を高めることをいつも考えていて、審判を長く続けることを目的や目標にしてきたわけではないので、「そんなにやったんだ」という感じです。

――ここまで続けてこられた要因はどこにあるのでしょうか。

家本 もちろんサッカーが好きで楽しいからということもありますが、審判員はレフェリーアセッサーという方に毎試合評価されていて、年間のパフォーマンスをトップレベルに維持できなければプロフェッショナルレフェリーとして契約してもらえなくなります。自分の感覚としても、評価やパフォーマンスが著しく落ちた記憶はありませんし、大きなけがや病気もせずにここまで来ています。それは健康な体に生んでくれた両親や食事や体調を管理してくれている妻、僕にがんばり続ける意味を与えてくれている子どもたちなど、僕のコンディションのベースをつくってくれている方々のおかげですし、本当に感謝しかありません。

――これまで多くの試合を裁いてきた中で、特に印象に残っている試合を教えてください。

家本 リーグ戦に限れば、サンフレッチェ広島が初優勝した時(2012シーズンの第33節セレッソ大阪戦)は試合全体の雰囲気をよく覚えています。川崎フロンターレが初優勝した時(2017シーズンの第34節大宮アルディージャ戦)も印象深いですね。カップ戦のファイナルは「これに勝てば優勝」と分かりやすいですが、リーグ戦の優勝は縁や運、タイミングが重ならないと巡り会わないもの。それを2回も経験させていただきました。それ以外では国内外含めて本当にたくさんあるので、「これ」と特定するのはなかなか難しいです。それくらい素晴らしい試合に数多く関わらせていただきました。

――レフェリーとして日本サッカーに寄与したい部分は。

家本 選手やチームと審判員の現場同士が、もっと日常的に環境がどうにかしてできないかとずっと考えています。選手は毎日練習し、週に何回かは練習試合や紅白戦をして本番に挑みますが、僕たち審判員は日々、フィジカルトレーニングをしてメンタルコンディションを整えるだけで、実戦形式の練習をする機会が皆無なんです。この状況を改善したい。現場同士が密にコミュニケーションを取れるような環境が一日でも早く日本にできればいいなと思っています。

――最後に、今後の目標を教えてください。

家本 自分が関わる試合において、両チームの選手、ファン・サポーター、メディア、スポンサーといった全ての人がワクワク、ドキドキする試合をつくり続けたいですね。みんなが試合に入り込んで、終わった後は「今日は最高に面白かったよね」と納得感や充実感をもっと感じてもらえるようなレフェリングをしていきたいです。そのためには、できるだけ試合の中で私が目立つことがないように心がけています。こだわっているのはそこだけですね。あと何年、何試合やれるか分かりませんが、自分で「よし、もう十分」と思える日がくるまで、みんなに心から楽しんでもらえる試合を増やしていきたいですね。


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