Jリーグ中断期間中、Jリーグ担当審判員はオンラインによる研修会・勉強会を行っており、J1・J2のリーグ戦再開/J3開幕直前の6月19日~23日の間にそれぞれ研修会を実施しました。
インストラクターコメント
扇谷健司インストラクター
新型コロナウイルスの影響により中断されていたJリーグが6月27日にJ2再開、J3開幕となりました。また7月4日からはJ1も再開されました。中断期間中Jリーグ担当審判員はリモートでの研修会、勉強会を中心に自身のスキルアップに努めて参りました。
再開前の6月19、21日にはJ2担当審判員研修会を分散で開催、6月21日にはJ3担当、6月23日にはJ1担当が各カテゴリーにわかれて開幕、再開前研修会に参加し、今シーズンのテーマであるコンタクトプレーや競技規則改正、ハンドリングについての再確認を行い、最後には自身の安全を確保した上で審判活動に当たってほしいというメッセージを共有して終了しました。誰も経験をしたことがない難しいシーズンになります。審判員や指導者の方々が一丸となって素晴らしいシーズンにしてきたいですし、我々はサポートしていきたいと改めて感じました。
参加者コメント
西橋勲 1級審判員(大阪府)
125日間の中断を経て、Jリーグが再開しました。まず、この日を迎えるまで、私たちの生活を支えていただいた全ての方に、この場を借りて感謝申し上げます。ありがとうございます。
研修会では、Ray Oliver氏より少し早く再開したプレミアリーグの現状の話がありました。各国リーグが様々な工夫を凝らしながら試合を行っています。観客がいないことでこれまでの雰囲気と大きく違う難しさがあるものの「自分たちの仕事に集中することが大事である」とアドバイスがあり、具体的なイメージが膨らみました。
また、扇谷氏・宮島氏からは、コンタクトプレーの考え方や中断期間に行ってきたweb勉強会のまとめ、副審として主審への的確なサポートや精度の高いオフサイドの判断について話があり、2020年シーズンの再開に向けての意思統一ができました。
誰もが経験したことのない環境下ではありますが、私たちは『審判チーム』として1つ1つの判定に全力を注ぎ、選手・スタッフ・関係者の皆様と共に、サッカーを通じて笑顔と勇気を届けられるよう尽力します。
桜井大介 1級審判員(千葉県)
COVID-19の影響で研修会が開催できない中、WEB形式で勉強会が開催されました。
J2副審担当の勉強会では、主に「オフサイド」「主審との協力」についてディスカッションが行われました。
「オフサイド」については、エラーが起こってしまった際の原因を推測し、
・なぜそのような判断をしたのか・対策はどのようなことがあるか・他に考慮すべき事象があったか
などについて、時には本人からの話を聞きつつ、意見交換を行いました。
「主審との協力」については、事象が起きた場所や主審の位置などを考慮しつつ、自分の持っている情報を
・どのタイミングで・どんな方法で伝えることでより効果的で、より主審の助けとなる協力になるかについて意見交換を行いました。
WEB研修会ということでモニター越しではありましたが、仲間と顔を合わせてディスカッションすることにより、いつもの研修会のように本音で色々な意見を交わすことができ、とても有意義な勉強会となりました。
いよいよ各リーグが始まり、誰もが経験したことの無いようなことも多々起きるかと思いますが、関係者の方々の「安全を第一」に考え、サッカーを愛する皆さんのために努力し続けたいと思います。
松澤慶和 1級審判員(神奈川県)
J3開幕に向け、開幕前研修会がオンラインで開催され参加しました。そこでは、この中断期間に取り組んだ「コンタクトプレーの理解の整理」、「フィジカルトレーニングの振り返り」、「競技規則の改正」、「Jリーグ再開に向けた運営面の確認」を行いました。
特に、「コンタクトプレーの理解」については、今年のJリーグの目標である「激しくてフェアでエキサイティングな試合」を行うために、接触の前から接触後までのプロセスを正しく理解し、上半身・下半身・空中時の接触など、様々な映像を使いながら、この中断期間に力を入れて取り組んできました。コンタクトプレーの判定は一歩間違えば、皆が期待しない方向に試合が進んでしまうこともあり、重要なポイントになると思います。私たちは、選手が持つ力を最大限引き出すレフェリングを心掛け、Jリーグの目標である激しくてフェアでエキサイティングな試合が行なえるよう最大限の準備をして、試合に臨みたいと思います