7月16日(日)、17日(月・祝)の2日間、第2回 J1・J2担当審判員合同研修会が横浜市にて開催されました。2017/2018競技規則の改正点についての確認、明治安田生命J1・J2リーグ前半戦の振り返りで今後に向けて判定力の向上を図った他、「主審と副審の協力」というテーマで審判無線を活用できた事例や使用することでのコミュニケーションの難しさ等についてイングランドのRay Olivier氏の講義を基に主審・副審とでディスカッションを実施。前半戦の振り返りを通して、さらに精度を高め、説得力のあるレフェリングに繋げるために、両日とも活発な意見交換が行われました。
実施内容
・前半の振り返り
・競技規則改正の説明
・主審と副審の協力(論理的な観点/実際の映像を使用してのディスカッション)
・「競技規則スタンダード(シーズンの判定基準)」の確認
・まとめ
インストラクターコメント
上川徹 JFA審判委員会副委員長/S級インストラクター(トップレフェリーグループシニアマネジャー)
Jリーグのサマーブレーク期間にJ1・J2を担当する主審、副審による合同研修会を実施しました。この研修会における目的は、「リーグ前半戦において課題となった事象を振り返り、後半戦にむけ審判チームとしての的確な判定力向上、また説得力あるレフェリングに繋げる」こととしました。ディスカッションで使用する映像を事前に審判員と共有したことで、実際の研修会では改善点、判定の考え方などがより掘り下げられて議論され、適切なレフェリングの方向性を確認することができました。特に、チームワークについては互いを「信頼(TRUST)する」、またお互いの情報をどのように伝えるかなど、基本的なことではありますが、その重要性を再認識することができたように感じます。この研修会で共有、確認、学んだことをフィールド上で実践すべく、後半戦に向け取り組んでいきたいと考えます。
参加者コメント
上村篤史 1級審判員(愛知県)
“Trust-信頼-”今回の研修会で一番心に残っている言葉です。我々審判員は、4人でゲームを運営します。4人がお互いに信頼し、いかにサポートし合いながら進めていくのか改めて考えました。主審と副審で見える角度が変われば、見えるものも違います。正しい判定につなげるために、どうコミュニケーションをとるのか。どのような聞き方をすると欲しい情報を早く共有できるのか試合中に瞬時に判断しなければいけません。打ち合わせでは役割分担を明確化すること、主審と副審の持っている情報が違う際は「どう?」と聞く「間」を持つこと、などグループディスカッションを通して、やるべきことを再確認することができました。今後も審判員同士を信頼し合い、的確な判定につなげていくためにどうするとよいのかを考え、さらに厳しさが増す後半のリーグ戦に向けて取り組んでいきたいと思います。
西橋勲 1級審判員(大阪府)
今回の研修会では、冒頭に上川インストラクターより、J1・J2リーグの前半戦のスタッツの確認と振り返りがなされました。ペナルティーエリアを12分割し、どのエリアが死角になりがちなのか、重要な事象が起きるエリアなのかを確認し、その上で主審と副審がどう“協力して”判定するかを再確認しました。ここでは、主審と副審が試合前に意思の統一を図っておくことの重要性を再認識し、グループディスカッションやスタンダード(シーズンの判定基準)の確認では、前半戦で起こったシーンを分析し、活発な意見交換を行いました。「正しい判定」のために、主審と副審が“勇気を持って行動する”こと、そのための協力関係を培うことが本研修会を通してできたのではないでしょうか。審判チームとしてもリーグ後半戦を迎えますが、今回の学びを実際のピッチ上でのレフェリングに繋げていきたいと思います。