11月19日(土)・20日(日)の2日間、宮城県松島町で「副審の育成・強化」をテーマに、JFAレフェリーキャラバンを実施しました。参加者は、総勢36名(内インストラクター21名、審判員15名)と多くの方にご参加いただきました。
指導者は、コミュニケーションに重きを置きながら審判員の良さを引き出すチュータリングを軸にしたカリキュラムの受講と、トレーニングをテーマ別に担当を振り分け審判員へ直接指導を行いました。事象を発生させ、録画したビデオを用いながら指導するインスタントフィードバックなど、今回の指導者のテーマでもあった「指導手法」を全員で共有できました。
一方審判員は、八木あかね氏による講義「副審の魅力」とプラクティカルトレーニングでのアドバイスを直接受けることが出来たのは大変貴重な機会となり、真剣な表情が印象的でした。10月にキャラバン本番へ向け、事前研修を行っていたこともあり、2日間のカリキュラムの中で成果が見える大変良いプログラムとなりました。
インストラクターコメント
石山昇 JFAインストラクター
宮城県レフェリーキャラバンでは、宮城県の審判指導者と審判員の「向上心の高さ」と「チームワークの良さ」を実感できる取り組みになりました。来年に控えた高校総体に向けて、副審としての技術・技能を向上させたいという想いに応えて宮城県の審判指導者に準備、室内でのチューターリング及びプラクティカルトレーニングのすべてを行ってもらうプログラムを実施しました。
10月に行った事前研修に始まり、11月には県内で事前に練習会、そしてキャラバン本番へと、宮城県審判指導者の皆様の情熱とチームワークには頭が下がる思いです。その成果としてキャラバンで実施したチューターリングやプラクティカルトレーニングでは県内審判員が笑顔で学ぶ機会が得られ、多くの気付きもありました。今後もキャラバンで経験された同様のトレーニング機会を計画的に設定し、来年の高校総体の成功につなげていただければ嬉しく思います。これからも様々な機会を通じてサポートしていきますのでよろしくお願いします。
受講者コメント
加藤勝宮城県サッカー協会審判委員長
今回のレフェリーキャラバンは2017年宮城インターハイに向けて、県内審判員が担当すると思われる副審強化を目的で実施しました。審判員・指導者共通の認識を持ってもらえるような内容に、綿密に準備をしていただきました。初日に指導者が研修を受けた、チュータリングを活用して参加した指導者が直接指導するような内容もありました。今後の研修会の指導には必要な手法であることが体験できたことは大きかったと感じました。また、審判員は知っていたと思っていたこと、知っているふりをしていたことがクリアになった研修であったと思います。今回のキャラバンを契機として、審判員の育成と指導者の育成を継続的に行えるような環境作りを進めていきたいと思います。県内審判員・指導者が一堂に集まって有意義な2日間の研修となりました。最後に、充実した研修会にしていただいた石山、高橋、阿久津インストラクター、八木プロフェッショナルレフェリー、JFA審判部の皆様に感謝申し上げます。
堀江真寿 2級審判インスタラクター/2級審判員
「繫がる絆・魅せよう僕らの若き力」のスローガンの下、平成29年度南東北インターハイサッカー競技が本県にて開催されます。1人でも多くの若手審判員を送り込み、貴重な体験をさせたいと、私自身もそれなりに努力してきたつもりでしたが、「それなり」「つもり」ではまだまだ甘いというのが、2日間での正直な感想でした。反面、決してネガティブになったわけでもなく、2日間絶えず「笑い」があり、充実した時間を過ごすことができ、今まで以上にモチベーションも高くなりました。
「チュータリングとは?」から始まった研修でしたが、参加者の「学びたい」という根底の気持ちを引き出す話術、参加者の積極的な「意見」「行動」を引き出す効果的なテクニックを真近で学ぶことができたことは今後の指導に大きくプラスになりました。今研修で学んだことをしっかりフィードバックしていきたいと思います。最後になりましたが、2日間の貴重な研修に対し、JFAインストラクター・スタッフの皆様に心より感謝申し上げます。
畠山大介 2級審判員
「こだわること」の大切さついて考えた2日間でした。初日は、プロフェッショナルレフリーの八木あかねさんのセッションの中で「なんとなくやっていては、指摘されても気づかない」という一言にハッとしました。八木さんの副審としてのこだわりは、その後のフィットネストレーニング中の所作にも感じられ、大変刺激を受けました。また、2日目午後のプラクティカルトレーニングは、午前の講義の内容に即しており、競技規則を深く理解することができました。特に、PK時の侵入やGKの飛び出しは頭で理解しているつもりでしたが、実際にやってみると混乱しそうになる事もありました。
また、オフサイドの判定をその場で映像で振り返る事で、自分の課題を見つける事ができました。今回のキャラバンでの経験を明日からの審判活動、トレーニングに生かしたいと思います。石山さんをはじめとするJFAの方々、宮城県サッカー協会の方々にはこのような機会を与えて頂き大変感謝しております。今後ともご指導よろしくお願いします。